2ntブログ
 

カッコウの官能小説劇場

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

*    *    *

Information

□ ウォッチタワー □

序章

「やっと着いたわ。これが、ウォッチタワー<物見の塔>ね」
 人里離れた深い山間に澄んだ女性の声が響く。

 声の主はまだ若く、ほんの少し前まで少女であった幼さの残る顔立ちである。ハニーブロンドの髪をざっくりと切って、もみあげの部分だけを長く三つ編みにして銀のリングで止めている。
 化粧気もなくりりしい表情だが、彼女の女性らしい美しさは全く損なわれていなかった。
 長いまつげの下に輝くような深い青の瞳、柔らかい曲線の頬にピンク色の唇。
 美しさを自らの自然な特質とする、天真爛漫でいながら高貴な雰囲気。それは、何世代にもわたって美女の血を取り入れてきた支配者の一族のみに持ちうるものだった。

 彼女は流浪の戦士レイナ。戦士というに相応しく鎧に身を固め剣と盾で武装している。
 しかしその鎧は、一風変わっていた。胸から腹部にかけての中央部分だけをその女性らしい曲線に沿って守り、後ろも同様に中央部分だけを守る小さなパーツがある。
 素肌の上につけているため、側面は若い肌がむき出しである。女らしい肉体のくびれと張り出しを見せつけている。どうやら鎧の想定よりも胸が随分と大きいらしく、かろうじて下から乳首を隠しているものの、柔らかいふくらみの大半は外気に晒している。
 足下こそ金属のブーツで固めているが、その上は股間を覆う最小限の黒いパンツと鎧の前垂れのみである。そのため、引き締まった筋肉の上にむっちりと脂肪ののった太もものみならず、柔らかく張り出して時折揺れるお尻もその大半が見える状態だった。

「まさか、こんなに大きい建物だったとは……驚きましたわ」すぐ側にいた長い黒髪の女性がこたえる。
 彼女は武者巫女トモエ。年はレイナと同じ頃だろう、大きな黒い瞳に形の良い小ぶりな鼻と口、花のような顔立ちの女性である。
 柔らかい物腰と口調に世間ずれしていない純真無垢な魂が垣間見える。レイナとはまた違った意味で神秘的な高貴さを持った女性だった。しかし彼女もまた背に大太刀を背負っている。一度戦闘になれば控えめで優しい性格を押し殺し、りりしい表情で勇敢に戦う女武者なのだった。
 トモエはこの大陸では見られない、ゆったりとした白い上衣と長い紅の袴を身につけている。
 しかし、そのような慎ましい服でも隠しきれない程、彼女の体は女性らしかった。胸は柔らかな絹地をたっぷりと盛り上げてその形を主張している。腰帯の部分は思い切りくびれていていて、その下へ柔らかく広がって臀部の豊かさを想像させた。

「すっごいなー、こんな高い塔初めて見たよー」
 後ろから元気な声を出したのは森の番人ノワである。茶色い細い髪を側頭部で二つ縛りにしている。見た目は二人よりも大分若く、つぶらな瞳を驚きに見開いた表情は完全に純真な少女のそれでとても可愛らしい。
 体つきも二人に比べたら未発達でほっそりとしている。胸の膨らみも控えめで、可憐な風情で存在を主張していた。
 そして彼女の服装はその未発達な体をほとんど隠していないものだった。手足こそオレンジ色の手甲とブーツで覆っているものの、体にまとうのは首に巻いたフードとそれにリングで止められた小さな白い布の胸当て、そして腰に短いスカートをつけたのみだった。
 ふと柔らかな風が吹いただけで、そのスカートはふわりとめくれてしまう。そして小ぶりながらも丸みのあるお尻がむき出しになり、彼女の股間が何にも守られていないことをあらわにするのだった。それでもノワは全く気にならないらしく塔の方に目を奪われていた。
 ノワの肩の上には小さな猿がのっている。この猿はルーというノワの大事な相棒だ。ノワは故郷の森に侵入者がいればそれを得意の棒術でもって叩き出す森の番人だった。ルーはときにその毛を鋼のように硬くして、ノワを衣服や防具の代わりに守るのだった。

「こんな山の中に、こんな大きな石造りの塔を作るなんて、こりゃ確かに魔法でも使わなきゃできそうもないね」そう言ったのはシズカである。
 彼女はトモエの家来を自認して大陸の海を越えた東の島国、ヒノモトからついて来た忍者である。白い髪のやや年長の女性で、豊満な肉体を前で合わせる短い服で包んでいる。飄々とした雰囲気ながら、肉感的な色気を振りまく女性だった。

 レイナ、トモエ、ノワの三人はクイーンズブレイドに参加する美闘士である。
 大陸の女王を決める闘技大会クイーンズブレイド。彼女達はそれぞれの強い志を持って大会に参加する敵同士であった。しかし、前哨戦を幾度か繰り返すうちに卓越した戦闘技術のみならず、それぞれのまっすぐで誠実な人柄を認め合い、互いに尊敬と友情を抱くようになった間柄でもあった。

 この一行は数日前、山のふもとに栄えるラナードという小さな町で偶然再会したところである。その町が最近魔物の出現に悩まされていることを知った彼女達は、魔物退治は冒険者の努めだと言うレイナを先頭に魔物を追ってきたのである。そしてたどり着いたのが地元でウォッチタワーと呼ばれ、聖域として近づくことすら禁じられている伝説の塔だった。
 
「五百年前、次元の割れ目だか裂け目だかを塞ぐために、当時の魔術師が作ったって話を聞いたときには眉唾っぽかったけど、これはもしかしたら本物かもしれないわね」
「そうですね、妖気ではありませんが、尋常ならざる気配がします。さっきまであんなに霧が深かったのに、塔の周りだけ晴れ渡っているのも妙です」
 これほど大きな塔が山の上に建っていれば、旅人の目印になるくらい目立つ筈だ。だが、この一帯は常に霧と雲に覆われていて遠くからは何も見えなかった。彼女たちにしてみると霧を抜けると突然巨大な建物が現れたことになる。
「どうします?ここまで大がかりな魔法がらみだとすると、私たちの手には負えないかもしれませんよ」シズカが問いかけると
「えー、ここまで来て引き返す訳にはいかないよー」とノワが不満げに言う。
「そうね、たとえわたしたちの手に負えなくても、何が起きているかの調査くらいはしてみないと。それでどうしようもなかったら、町に戻って魔術師を雇ってもらったりしましょう。いままで会った魔物にとりあえず剣は通じたわ、そんなに恐れることはないわよ」とレイナが言う。
 トモエがそれにうなずく。
「そうですね、もし塔の伝説が本当ならば、何らかの塔の機能が故障して異界への門が開いてしまったのかもしれません。そこを通って異界の魔物が侵入してきたのではないでしょうか。わたくしたちだけで穴を塞げるかもしれませんし、とりあえず調べてみないと」

 皆自分の腕に自信があった。しかも今は心強い仲間が一緒である。未知の領域に誰も大きな恐れを感じてはいなかった。

「はーい、まあ五百年前の魔法の塔ってことだから、なんか凄いお宝でもあるかもしれないしね」
「シズカさん!そういう不埒な人のせいで異界への穴が開いたのかもしれないのですよ」
「あはは、トモエ様は真面目だなあ。でも結構そんなところかもね」

 一行は、塔の基部に向かって歩みを進めた。塔の周りは明らかに人の手が入った庭園のようだが荒れ果てている。
「でも、これって五百年も経っていないよね、数年前まではきちんと手入れがされていたみたい」ノワが呟く。
「そうですね、やはり数年前に何か異変が起きたのでしょうか」
「とりあえず、中に入る場所を見つけないと・・・・・・ってあれね」
 レイナが指した方向には正門らしき大きな両開きの扉があった。しかしその鉄の扉の片方はひしゃげて外れ、草むらのなかに倒れている。

 レイナを先頭に塔の中に入った四人は、あたりを警戒する。化物たちの巣になっているかもしれない場所に入るのだから、ここからは常に戦闘態勢となる。
 塔の内部は予想に反して明るかった。高い場所にあるガラス窓から採光されているのだ。おかげで玄関である広間の様子がよく分かった。広間は破壊された後のようだった。絨毯は破られ引きはがされている。そこらに散らばった木片は、もともと机だったのか椅子だったのか棚だったのかいずれとも判別できない。中央から両側に広がる階段の片方は崩れて瓦礫を下に落としている。
「ひどいわね・・・・・・」レイナが周りを見渡して呟く。

 そのとき崩れた階段の上の方で何かがむくりと動いた。
 女戦士たちが鋭く視線を走らせる。それは「キュエェェェェェェッ」と大音量の高音で鳴いた。レイナは思わず耳を押さえる。
 それは人間大のトカゲのようだった。手が側面に三本ずつとさらに尾の部分にも一本生えている。さらに側頭部から羽のような大きな膜が広がっている。何とも奇怪な化物だった。
 魔物は三度耳障りな声で鳴いた。そこでシズカが「うるさいっ」とクナイを投げつけると、飛び上がって羽ばたき、天井に尾の部分の手でつかまり逆さまになると、さらにまた鳴いた。
「どうやら、仲間を呼ばれたようですね」とトモエが言った。
 その言葉通りに、奥の崩れた壁の向こう側でなにものかがやってくる気配がする。魔物達が総勢三十体程、壁の穴を崩して拡張しながらあらわれた。

 それらも先ほどの魔物と同じくらい奇怪な代物だった。熊とゴリラの中間のような体型で、首はなく腹に口があり肩に4つの目がある魔物。猿ほどの大きさで昆虫のようにぴょんぴょん跳びはねる、手が鎌状の魔物。鰐のような口がそのまま伸びて蛇のようになっている魔物。どれもとうていこの自然ではあり得ない、凶悪さを強調したような姿形をしている。
 魔物達はうなり声を上げたり、不気味な目でにらみつけたりしながら、明らかに害意をもって四人に近づいてきた。
「うっわ~、いきなりだねえ。しかも多くない?」
 シズカが軽口をたたく。
「ある意味、面倒がなくて助かるわ」
 とレイナが剣と盾を構えながら言う。
「こいつらどこか悪い世界から呼ばれたんだ。放っといたら山も町もむちゃくちゃにされちゃう」
 ノワも幼い顔を引き締めて魔物達を睨む。
「いきましょう!」
 トモエが背中の太刀を抜き放つと、音もなく這い寄っていた鰐蛇が突然巨大な口を開けるのを横なぎに切り払う。
 そして戦闘が始まった。

 魔物達は数の上では圧倒的に優勢で、一体一体もそれなりに強力であった。しかし、彼女たちは大陸最強を決める闘技会へ挑戦するだけに、それぞれ達人級の武技を持っていた。
 魔物達は攻撃する場所を確保するため四人を取り囲んだが、彼女たちは互いの背中を守るようにして戦った。その結果、常に一人が正面の敵二、三体を相手に戦うことになる。その状態で魔物を倒していくことは、美闘士達にとって簡単ではないが不可能でもなかった。
 さらに魔物達は強かったが個々で攻撃するだけで連携をとろうとはしなかった。それどころか振り回した攻撃を隣の魔物に当てる事すらあり、各々が勝手に本能の赴くまま攻撃を仕掛けるのみだった。
 それに対して彼女たちは、今まで剣を交えた中で互いの戦い方を知悉しており、隣の者を互いにサポートし合って戦うことができた。
  
 圧倒的に優勢のように見えた魔物達も半数以上が地に倒れた。
 鎌猿が高く飛び跳ねて攻撃するのを、シズカが先手をとり同じほど高くジャンプして空中で頭に短刀を突き立てた。
 身軽な彼女がこのように鎌猿を迎撃するのはこれが三度目だった。思わず会心の笑みを浮かべたとき、突如背中から何かに強くしがみつかれた。
 それは戦闘のはじめに鳴き声で仲間を呼び寄せた魔物だった。魔物は七本の手足で彼女を拘束すると、そのまま羽ばたいて上昇した。
「きゃあぁぁぁっ!」
 シズカが思わず悲鳴を上げると、それに気付いたトモエが上を向く。魔物はシズカを抱えたまま、崩れた階段の上の穴を通り上階に消えてしまった。
「シズカさんっ!」
 故郷から苦楽を共にして旅を続けてきた親友がさらわれるのを見て、トモエは悲鳴のように名前を呼ぶ。
 上を見ながら前に出たトモエに魔物の豪腕が襲いかかる。
「危ないっ」
 ノワの棒が間一髪それをはじく。
「トモエ、まずはこいつらをやっつけちゃいましょう!大丈夫、シズカは無事よ」
 レイナは我ながら根拠がないと思いながらも、とっさの判断でトモエを励ます。
「くっ」
 トモエは一瞬悔しそうに下を向くが、次の瞬間「エヤァァァァッ!」と裂帛の気合いと共に正面の巨大な魔物を一刀両断にした。

 数分後、トモエの鬼神のような働きぶりもあって、すべての魔物が息絶え、動かなくなった。
「シズカさん・・・・・・、シズカさんを探しに行きましょう」
 激しく長い戦闘の後だというのに、焦りをにじませながらトモエが言う。
「ええ・・・・・・、そうね、早く追わなければ」
 疲労の色を振り払うようにレイナも同意する。

 そのとき、部屋の天井から男の声が降ってきた。
『何ともすばらしい戦いぶりだな、さすがはクイーンズブレイドの美闘士たちだ。』
「誰!?」
 レイナが思わず身構えて叫ぶが、天井には人の姿も魔物の姿も見えない。
『私はこの塔の主だ。次元の観察者にして越境者、すべてを見通す者だ。我が塔、我が世界へようこそ美闘士よ。私はおまえ達を歓迎するぞ』
「お前が、あの魔物達を呼び寄せたんだな!」
 ノワが天井に向かって叫ぶ。
『いかにも。ちょっとしたお遊びに過ぎんがね。あの数では多すぎるかもしれないと心配したが、終わってみたら少なすぎたくらいだったな。まことにお前達の戦いぶりはは芸術的だった』
「シズカさん!シズカさんをさらわせたのもあなたですね!」
『そのとおりだ。彼女は今私の手もとにいるよ。お前たちには及ばなくとも、強くて美しい女は大好きだからな』
「シズカさんを返してください!彼女に危害を加えたら許しませんよ!」
『安心したまえ、傷つけたりはせんよ。しかしどうだろう、多少彼女も変化するかもしれんな。
 彼女を返して欲しくば、塔の上部まで上って来てくれたまえ。趣向を凝らして君たちを歓待するつもりだ。楽しみに待っているよ。ふははははははは』
 笑い声と共に塔の主の声は途絶えた。

「どうやらわたしたち」ため息をつくようにレイナが言った。「罠にかかったみたいね」

 沈黙が三人を包む中、ノワの肩に乗っていたルーが飛び降りて瓦礫の山の中に向かう。そして何かを探すかのように、瓦礫を掘り返し始める。
「ルー、どうしたの?」
 相棒の奇妙な行動にいぶかりながら、ノワがルーのそばに駆け寄る。
 ルーは目当ての物が見つかったかのように、瓦礫の中から水晶玉を掘り出した。それを主人に示すように掲げると、そこに忽然と若い男が現われる。
「きゃっ、な、なに」
 思わず身構えるノワに、レイナとトモエも側にやってくる。

「はじめまして、皆さん。よくこの塔に来てくださいました。あいつではありませんが、僕もあなた方を歓迎します」
 少年と言っていいほどの若い男だった。褐色の肌で、黒い髪をおかっぱにしている。腰布と首に巻いた幅広の首飾りと編み上げのサンダル以外は何も身につけていない。その風体は彼女たちがかつて出会った古代アマラ王国の王女メナスの服装にどこかにていた。
 何もない空間に突然現われたことをいぶかってよく見てみると、少年の体が透けて見えることに気がつく。
「悪霊!?」
 ゴーストを穢れとして嫌うトモエが死霊払いのお札を投げつける。しかしお札は単に彼の体を通過して、後ろに落ちただけだった。
「悪霊とはひどいな。僕は肉体を持たない精神体ですが、死霊とは似て非なる存在です。それに、今お見せしているのは単なる魔法の幻影ですよ。ちょっとこのお猿さんをお借りして、壊れていない通信水晶を掘り出す事ができた」

「あなた、何者なの?」
 レイナが警戒しつつ聞いた。
「僕の名前はテナルド、この塔の管理者です」
「管理者?さっきの塔の主とは違うの?」
「はい、僕はこの塔の管理者だったのですが、彼に塔の管理権限を簒奪されてしまったのです」
「そもそもこの塔って一体何なの?次元の裂け目を塞ぐために作られたって聞いたけど」
「そういう認識でも良いでしょう。詳しいことを理解するには高度な魔術の知識が必要ですから。特異点、いわゆる次元の裂け目を塞ぎ続けるにはこの塔が機能し続ける必要があります。僕は恒久的な塔の維持管理のために精神体となり塔と一体化したのです。」
「じゃあ、あなた五百年前の人なの?もしかして・・・・・・五百年間ずっと一人でこの塔の管理をしてきたの?」
「・・・・・・はい。それが故、彼がやってきたとき、つい油断してしまったのです。まるで予想外のことでした」
「彼って、塔の主?何者なの?」
「魔術師です。塔の力を使って自分の欲望を満たそうとしたのですが、塔の力は彼の望むようなものではなかったのです。今の彼は情欲の悪魔に取り憑かれています。ほとんど狂っていると言っていい」
「情欲の悪魔って、じゃあシズカさんは・・・・・・」
 トモエが息をのんで口を挟む。
「可哀想ですが、今頃彼に弄ばれています・・・・・・、しかしそのおかげで彼の隙を突いてあなたたちに接触することができました」
「そんなこと・・・・・・」
 トモエは唇をかみしめ拳を強く握る。レイナやノワも顔が青ざめる。
「すみませんが、今は僕たちが連絡を取り合っていることを知られるとまずい。彼を倒し、管理権限を取り戻すのに協力して欲しいのです・・・・・・」
「どうすればいいのよ」
「とりあえず、塔の中枢に行ってください。彼の本体がいるところです。彼もあなたたちを誘ってくるはずです。途中いろいろな罠を仕掛けてくるかも知れませんが・・・・・・」
「上に登って、あいつのいるところまで行けばいいのね」
「はい、このお猿さんはしばらくお借りします。しばらく使い魔として使役させてください。彼を倒すために色々とやらなければならないことがある」
 そこまで言うと、ルーは水晶を布にくるみ、器用に自分の首に結びつけて背負った。テナルドの姿はそこでかき消える。ルーはそのまま壁を上っていく。
「あ、そんなあ。待って、ルー」
 ノワが驚いて心配そうに叫ぶ。
「すみません、この子は必ず無事にお返しします。また機会をうかがって接触します。どうかご武運を」
 その言葉とともにルーは窓の外に消えた。

「ルー・・・・・・」
 ノワは頼りになる相棒と離れて不安そうな顔をする。

「ルーだったら大丈夫よ。あんなに硬い毛を持っているんだし。とりあえず、彼の言った通りにしましょう。今のままじゃ情報が少なすぎるけど・・・・・・」
 そうレイナが言うと、三人は崩れていない方の階段に向かった。

→ NEXT
関連記事

*    *    *

Information

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://aoikakkoh.blog.2nt.com/tb.php/1-e4871dd1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)