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カッコウの官能小説劇場

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第三章 第一節

 レイナが目を覚ますと、裸で豪華なベッドに寝ていることに気がつく。
 なんだかとても酷い夢を見ていたような気がする。一体どんな夢だったのだろう?
 今は清潔なシーツにくるまれて、とても快適で安心できる。
 ここはどこだったろう? なじみの宿屋の一室か、それとも懐かしいヴァンス城の寝室か・・・・・・。

 しかし、だんだんと目が覚めて頭のもやが晴れてくるにつれ、塔の主を倒すために、苦労して塔を上り、敗北して酷く辱められたことを思い出す。
 しかし、それはあまりに異常な記憶で、なんだか現実感がない。本当に自分の身に起こったことなのか、まるで悪夢を見ていたかのようだ。
 レイナは思わず股間に手をやり、しなやかな指を秘密の合わせ目に深く沈み込ませてみた。
 柔らかい抵抗と共に穴の入り口付近に僅かな痛みが走る。そこにはまだ何か挟まっているような違和感があった。
(ああ……あれは夢なんかじゃなかった。わたし、魔物に処女を奪われてしまった。しかも、自分から淫らな言葉で乞い願わされて……)
 その時の頭が灼き切れるような恥辱と快感が生々しく蘇る。
 体がぶるっと震えると、内奥から蜜がしみ出して、指先をぬめらす。
(いやっ、そんな。わたし、心も体もいやらしくされてしまったの……?)
 悲しみで涙が溢れそうになる。それでもレイナは嗚咽を抑えると、顔を上げてにじんだ目で、部屋を見渡した。

 部屋は石造りの簡素なものであった。ベッドの他には水差しとコップの載った小さなテーブルしかない。木製の扉がベッドの対面の壁にある。

 レイナは胸の双丘を弾ませて起き上がる。シーツを体に巻き付けると、慎重に扉を開いた。
 そこは直線の長い廊下になっていた。その先の大きな扉までレイナは歩いていく。

 レイナが扉の中をを覗いてみると、そこには二人の仲間がいた。
「トモエ、ノワ!」
「レイナ、大丈夫だった?」
「レイナさん、良かった、みな無事だったのですね」
 トモエはレイナと同じように薄いシーツを体にまとい、豊かな曲線を浮かび上がらせている。ノワは生まれたままの姿でしなやかな体を晒して少し恥ずかしそうだが、嬉しそうに抱きついてくる。
 レイナは仲間と再会できてほっとすると同時に、自らの恥態を見られていたことを思い出す。尊敬する友人に自分の浅ましい淫らさを知られてしまった羞恥に、顔を赤くしてうつむいてしまう。
「レイナさん……、昨日のことはお気になさらずに……。あれから、わたくし達も気を失うまで触手に辱められました……」
 その様子を見たトモエが悲しそうに慰める。ノワも顔をレイナの豊かな胸に押しつけて、シーツをぎゅっと握る。
 
 三人の居る部屋は広間だった。真ん中には食卓があり、柔らかそうなパンに、湯気の立ったスープや卵料理などが並んでいる。
 気づくと古代風の衣装の塔の主が、にやにやと笑いながら座っていた。すぐ傍らには同じ顔のテナルドが立っている。

「おはよう、美闘士諸君、昨晩はよく眠れたかね。いや、あれだけ盛大に声を出していった後だ、聞くまでもなかったかな」
 勇敢な美闘士達も今は丸腰で柔肌に薄布をまとうのみである。人知の及ばない力を肉体と精神に思い知らされた相手を前にして、思わず身を寄せ合う。
「あ、あなた、どういうつもり。
 散々弄んで、もう満足したでしょう。わたし達を解放しなさいよ!」
 レイナは強気を装って言ったが、再び辱められる恐怖に少し声が震えた。
「まだ、来たばかりじゃないか。本物の美闘士に対してあんな魔物との一戦で満足などと、とんでもない」
 塔の主の淫らな意思が健在なことを知り、三人は恐れに震える。
 それでも抵抗の意思を示そうとレイナは、塔の主に向かって行き平手を振り上げる。
 しかし、塔の主に振り下ろされた手の平は、顔をすり抜けて空を切る。
 傍らのテナルドが、苦しそうに口を開いた。
「……肉体を失って、肉欲に支配されるなど悲惨なだけだ。も彼女たちを解放したまえ。いくら美闘士を弄んでも、満足どころかむしろ苦しみが募るだけじゃないか」
「黙れ! らちもない説教をぐだぐだと繰り返しやがって」
「いくら美しい女闘士が近くにいても、僕たちは決して触ることすらできないのだぞ。視覚と聴覚のみを残して他の感覚を切り捨てた塔の設計を恨んでも仕方ないだろう。あのときは長期の精神の安定にはそれが最善だと思われたんだ」
「ふん、いくら目障りでもお前を見えないところには追いやらんぞ。妙な小細工はもうできない。この世界は私だけの支配下にあるのだ」

「あ、あなたは、わたくし達を死ぬまで淫らなおもちゃにしようというのですか? もしそうなら、今ここで死んだ方がましです……」
 トモエが振り絞るようにして言う。志半ばにして自決するなど、祖国とそこへ残してきた仲間への裏切りだとはわかっていた。しかし、この塔で敵は神にも等しい力を持っている。さすがのトモエも逃れる希望を見いだせないでいた。
「ふふふ、まあそう早まるな。私は強く勇敢で美しい君達が大好きだ。君達を無体に壊してしまうようなことはしたくない」
「じゃあ、わたし達をどうするつもりなのよ?」
「君達は美闘士だ。ここで私だけのためにクイーンズブレイドをやってくれたまえ」
「どういうこと? まさか、仲間同士で闘えって言うの!?」
「そうだ、今までも前哨戦<プレオーダーバトル>はやっているだろう。それと同じようなものだと考えればいい。そして総当たり戦で最も勝ち星の多かった者を一人、この塔から解放することを約束しよう」
 三人は思わず顔を見合わせる。
 この悪夢のような場所から解放される可能性が示されたのだ。ほんの僅かな希望でもそれにすがるしかないが、それには解放される権利を仲間と奪い合わなければならない。
 美闘士達は互いの目の中に信頼の証を見て取った。三人とも解放された一人が残された二人を決して見捨てないことを確信した。必ず救援のための手立てを打ってくれるはずだ。このまま、三人で塔の中に捕まり続けているよりは、誰か一人でも外に出た方がいい。。
「……本当に勝者を解放してくれるのですか?」
「約束は守る、それは信頼してもらうしかないな」
「彼は、嘘は言っておりません。とりあえず今は本当に解放する気のようです」
「お前は、口を出すな!」
 テナルドが塔の主に怒鳴られる。テナルドは塔の主の心が読めるらしい。
「残された二人はどうなっちゃうの?」
「また何か別の余興でもしてもらうさ。そのときも解放をご褒美にするかもな」
「シズカさん……。シズカさんはどうなるのです。彼女は美闘士ではありません。わたくし達も捕えてもう用はないでしょう。お願いします、解放してあげて下さい」
「そうはいかんな。ふむ、しかしシズカはトモエの従者。もしシズカが勝者となってこの塔を出る時は一緒に解放してやることを約束しよう」
「本当ですね……。それではシズカさんに会わせて下さい」
「まあ待て、彼女にはやってもらうことがある。もうしばらくしたら会わせてやろう」
 トモエは不満だったが、今の状況で何を言っても無駄であることは分かっていた。


「結局、これを受けるしか無さそうね。……結果は恨みっこ無しってことでいい?」
「はい。あんな下劣な男の言いなりになるのは無念ですが、こういう時だからこそ、あくまで正々堂々と誇り高く戦いましょう」
「絶対、みんなでクイーンズブレイドの本戦に出ようね。そのための練習試合だよ」
 三人は互いの意思を確認してうなずき合う。一人しか解放されないというのならば、それを闘いによって決めるというのは美闘士達にとって望むところであった。

「ふはははは、どうやらやる気になったようだな。聞き分けが良くて嬉しいぞ。お前達の装備は、これ、この通り用意してある」
 塔の主が腕を振ると、何もなかった床に三人の武器や防具が現れた。魔物に食いちぎられたり溶かされたりしたはずの衣服もある。
 素っ裸のノワがまず駆け寄って手に取った。
「これ、本当にわたし達の物なんでしょうね?」
「いいや、これは私が作り出した物だ。お前達が本気で戦い合えるよう、ちょっと工夫がしてある」
「どういうことよ」
 塔の主はレイナの剣を手に取ると、服を着ている最中のノワの腕に当てて引く。
「あいたっ」
 ノワが声を上げ、レイナとトモエは身を固くする。しかし、鋭い刃で切られたはずのノワの腕は傷一つ無く、きめの細かい美しい肌がそのままである。
「この武器は重さやバランスは本物と寸分違わぬが、実際に肉体にダメージを与えることはない。もっとも痛みはきちんとあるがね」
「それは確かに安心して戦えるけど、勝敗はどうやって決めるのよ? あなたが審判でもやるつもり?」
「いいや、肉体に受けた分のダメージは、防具や衣服にいくことになっている。そして、戦闘不能や致命傷になるほどのダメージを受けた時は、防具が壊れてそれで勝負が付くというわけだ」
「……また、わたくし達を公衆の面前で裸に剥こうというのですか……」
 トモエが昨晩の羞恥を思い出し、顔を赤らめて言う。
「ふふふ、そういう事だ。それと、負けた方にはちょっとしたペナルティがある。体に傷がつかないからと言って。三人で勝者を決めて八百長をされては興ざめだからな」
「ば、ペナルティって、どんな?」
 ノワが心配そうに聞く。塔の主の考えるペナルティがまともなはずはない。
「それは、その時のお楽しみだよ」
「わたし達は八百長なんかしないわよ! ペナルティなんて必要ないわ!」
「どうかな。とにかく、これがここのクイーンズブレイドのルールだ。罰ゲームを受けたくなければ負けなければよいのだよ」
「くっ」
 再び昨日のような恥辱を味合わわなくてはならないのかと思うと、三人は絶望的な気持ちになる。
 しかし、塔の主にどう抗議しても淫らな意図を変更することはないだろう。そして、どんなにいやらしい目的があったとしてもこの試合を受けなければ、希望はない。美闘士達に拒否という選択肢は無かった。

「さてさて、せっかくの朝食が冷えてしまうぞ。まずは戦いに備えて、よく食べておきたまえ」

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