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カッコウの官能小説劇場

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第一章 第三節

 鍵を開けて入った次の部屋も前の部屋とほぼ同じだった。
 ただ一つの違いは鏡に張り付いているゲルキャンディにあった。一つだけ張り付いているそれは、長さが今までの二倍程度だった。

「こんなの口に入りきらないよ」
「これは、三人で一本を舐めろということなのでしょうか」
「うーん、それだと先端部分はともかく、横からくわえても温められないと思うけど・・・・・・、とりあえずものは試しでやってみましょうか」

 三人はあまり考えても仕方がないと、長いゲルキャンディに唇を寄せ合った。
 先端部分をトモエがくわえ、右から中間部分をノワが、左から根本の部分をレイナがくわえることになった。ゲルキャンディが起ちあがると下の部分に上の者の唾がたれてくるのは仕方がないことである。そこで潔癖なトモエに下の部分をやらせるのは忍びないと、二人が先端部分をトモエに譲ったのである。
 一つの長大な男性器に三人の美闘士が口で奉仕しようとする姿は何とも淫猥なものであった。トモエが先端部をくわえて前後に顔を動かす。横からノワとレイナが、茎の部分を覆うために必死で舌と唇を突き出すのである。
 三人はそのいやらしく、みっともない姿を鏡で確認した。それをどこかで塔の主が見ているのだろうと思うと、またもやどうしようもない恥ずかしさが湧きおこってくるのだった。
 恥辱に耐え努力してみたものの、やはりこれでは温度が上がらなかった。根本的にゲルキャンディの陰茎を横から口でくわえても、覆える面積が少ないのである。

「やっぱり、これじゃ駄目そうね、一体どうすれば全体を温められるのかしら」
 一旦休憩にして、レイナが言うと、トモエが顔を赤くしたまま答えた。
「あの、わたくし分かったような気がします・・・・・・
 上からくわえてて思ったんですけど、これはたぶん口でくわえると同時に・・・・・・、その、あの、お乳で挟んで温めればよいのではないでしょうか」
「えーっ」
「なるほど、確かにそうすればかなり長い部分を包み込めるわ。でもそれって胸を剥き出しにして挟まなくちゃならないって事よね・・・・・・」

「・・・・・・あたしは、ちょっと無理かな。包み込めないもん」
 ノワが自分の小さな両胸に手を当てて寂しそうに言う。まだ成長期であり、スリムなエルフ族の中では特に小さい方ではないので、今までそれほど気にしたことはない。しかしレイナとトモエの胸がこれぞ女の証とばかりに豊かに盛り上がっているのを見ると、なんだか自分は足りてない気がしてくる。
「ノワはこれから大きくなるかもしれないんだから大丈夫よ。それに小さいのは小さいので可愛いじゃない」
「そうですよ、それにお乳が大きくても動きの邪魔になるばかりであまり良いことはありませんよ」
 お姉さん二人に慰められても、完全に納得はいかないのだった。

「そ、それじゃあ試してみよっか」
 口でくわえて胸で挟むという行為の淫らさに顔を赤らめながら、レイナが言う。
「・・・・・・いえ、ここはわたくしがいたします」
「え、そうなの?無理しなくても・・・・・・」
「いいえ、シズカさんを救うためですもの、この程度で臆するわけには参りません」
 さきほど二人に先端を譲られたということと、自分が気付いた方法ということがあり、トモエは決意を固めたようだった。
「わかったわ、それじゃあよろしく頼むわね」
「はい・・・・・・任せてください」

 トモエは紅潮した顔で鏡の前に跪くと、きっちりと折り目正しく合わせられた上衣の衿に指をかける。
 慎みと礼節を美徳として叩き込まれてきた彼女にとって、例え同性に対してでも胸をはだけてふくらみを見せるなどというのは言語道断な行為であった。
 しかも目の前の鏡を通じて、塔の主はいやらしい男の目でこちらを見ているに違いないのだ。それに向けて自分は乳房を丸出しにするのみならず、その乳房を使ってとてつもなく淫らな行為をしなければならない。そのことを考えると気が遠くなりそうなほど恥ずかしかった。
 しかし、無二の友であるシズカの無残な姿を思い出すと、怒りと共に決意がよみがえる。どんな困難であっても乗り越えて彼女のもとに行かなければならない。それに塔の主が自分の恥ずかしい姿を見ているとき、シズカは安全なのだ。

「ふぅーーーーっ」
 一度、溜息のような深呼吸をすると、トモエは指に力を込めて衿を左右に引っ張った。
 形を変えて柔らかさを示しながら、トモエの乳房がまろび出てきた。
 たおやかな撫で肩の下に、狭い胸幅。そこに不釣り合いな大きさの乳房が丸い果実のようにぶら下がっていた。
 曲線自体が引っかかりのない柔らかさであり、さらに出てくる際に服によってひしゃげられ元に戻った反動でふるふると揺れている様がその柔らかさを示していた。
 その柔らかさと、大きさから予想される重さでは、もう少し垂れていそうなものである。しかし、鍛えられた筋肉と若さ故の皮膚の張りによって奇跡的に前に張り出し球体のかたちを保っていた。
 日光にほとんどさらされたことのないその部分は、色白のトモエの顔よりもわずかに白く、赤ん坊ののように滑らかな皮膚をしていた。
 正面の先端部分では、紅色の乳輪と乳首が恥ずかしそうに揺れていた。標準的な大きさであったが、乳房全体の大きさからやや小さめにも見えた。

 後ろからその様子を見ていたレイナとノワは、鏡越しにその様子を見て、女でありながらその美しさに目を奪われる。
「あの・・・・・・そんなに・・・・・・見つめないでくださいまし」
 恥じらう小さな声でトモエに注意されて、顔を赤らめて慌てて横を向いた。
「ごめんね、あんまり綺麗だったからつい」
「そ、そうだよトモエのおっぱい、すっごく綺麗。全然恥ずかしがることないよ」
 友人の優しい言葉もトモエをより恥じ入らせるばかりだった。

 実はトモエは自分の大きな乳房に劣等感を抱いていた。
 幼い頃から尊敬する先達の武者巫女のような慎み深く芯の強い女性に憧れ、理想としてきた。それに少しでも近づけるように精神を鍛え、常日頃の行いや立ち居振る舞いに気を配ってきた。
 その努力はある程度実を結んだと思う。しかし思春期以降の身体の成長は理想を裏切り、女であることを凹凸で強く主張するような慎みのない外見になってしまった。
 そのような考えは無意味で誤っていると知りながらも、もっとほっそりとなだらかな体であれば、自分は見た目からして慎み深い、理想の女性になれるのにと思えるのだった。
 だから他人から自分の肉体の女らしさを誉められても、嬉しさよりも恥じ入ることの方が多かった。彼女の生真面目さはもしかしたらこの肉体への劣等感からきているのかもしれない。

 そのようなトモエにとって、自分の乳房を鏡に映して見つめるだけで恥ずかしく、思わず手で押さえて隠したくなる。
 しかし、そんなことをするために乳房をさらけ出したのではないと思い直す。長いゲルキャンディの先端を口にくわえて、まず硬く起ちあがらせた。そして体をにじり寄らせて、ゲルキャンディの下半分を両乳房の横に手を添えて挟み込むのだった。
 ゲルキャンディに熱を与えるため、例によって舌と口を激しく絡める。さらに下半分にも熱を与えるため乳房を揉み込むようにして摩擦させた。柔らかな巨乳は奔放に形を変え、乳首は踊るようにあちこち向きを変える。
(ああ、なんと破廉恥な姿でしょうか……。お乳があんなにいやらしく動いて)
 動いているうちに体が熱くなる、乳房に玉のように汗が生まれ、さらに上から唾液が垂れてくる、混ざり合った体液が茎に絡みついて潤滑剤になる。
(本当は赤ちゃんにお乳をあげるための大切なものなのに、このような淫らな行為に使うなんて……マサカド様お許し下さい。シズカさんを助けるためなのです。
 塔の主は見ているのかしら。こんないやらしいわたくしを見られるなんて……。でも見せつけた方がシズカさんが助かるかも……)

 太い茎を乳房でこね上げるように擦っていると、その茎からの刺激がだんだん甘いしびれのように乳房に広がるようになってきた。
 さらに乳首が勃起して膨らみ、ときおりそれが鏡や茎に当たると電気のような刺激が走った。
(だめっ、かんじちゃっ。わたくしの大きなお乳、まるでいやらしい快楽のためにあるかのよう。ああ、どうしてわたくしにこのようなものがあるのでしょう)

『男にパイズリ奉仕をしながら感じるようになるとは、淫乱娼婦が板に付いてきたじゃないか。やっぱりクイーンズブレイドなんかやめて、その素敵な体を男に捧げなよ。そっちの方が絶対に似合ってるぜ』
(!?)
 目で見上げると、先程の部屋でトモエの前にいた男の幻影が、また同じように映っていた。
(落ち着きましょう。予想していた事じゃない。どうせまた戯言を繰り返すだけです)
『それにしても、いやらしいおっぱいだなあ。チンコに柔らかく絡みついて最高だぜ、おい。それに大きい割に随分と感じやすいじゃないか、乳首をビンビンに勃起させて可愛いぜ。』
(い、いやっ、言わないで下さい。レイナとノワに聞かれてしまう。違うんです、これは違うんです)
 トモエは、肉体に起こっていた恥ずかしい変化を指摘されて動転する。自分がこの淫らな行為をしながら胸に快感を感じていたことを知ったら二人はどう思うだろう。軽蔑されるのではないか。
 鏡越しにレイナとノワの方を伺うと、二人は心配そうな顔でこちらを見ていた。
『友達のために仕方なくやっているんですというふりをしながら、おっぱいを俺のチンコに擦りつけて気持ちよくなっているんだからな、トモエらしいぜ。本当は興味津々だったんじゃないのか、だからわざわざ立候補したんだな』
(ち、違いますっ!わたくしは断じてそんな淫らな女ではありません、お願い、信じて下さい……)
 心の中で抗議するものの、胸からの甘い痺れは相変わらず断続的に伝わってくる以上、有効な反論は思いつかなかった。

「この変態っ、トモエをいじめるなっ」
 ノワが耐えかねたように手に持っていた小袋を男の顔に向かって投げつけるが、鏡に当たって落ちただけだった。

(とにかく、一刻も早く終わらせるのです。これを崩壊させれば幻影も消えます。もう何も聞かず、考えず、温めるのに集中しましょう)
『おっ、激しいな。満足できなくなって、もっと感じたくなっちゃったのかい』
 男の声を無視してトモエは上半身をくねらせながら、ゲルキャンディを激しく責める。
 それは確かに、トモエの乳房にもより強い刺激が与えられるという事であった。しかも雑念を追い払った分、肉体的な刺激はより強調されて感じられるようになる。
 頭の中が甘い刺激でいっぱいになり、しかもその快美感がどんどん蓄積されていくような状態がしばらく続いた後、鏡の中の男が吠えるような声を出し、ついにゲルキャンディが爆ぜた。

 乳房を揉み合わせながら体を支えていたトモエは前のめりになる。その拍子に両方の乳首が思い切り前方の鏡に擦られた。

「あああああんっ」
 今までにない強力な電流が体中を走り、トモエは思わず声を上げて背中を反らす。そのまま後方に背中から倒れ込み、二、三度ほど体を痙攣させる。むき出しの巨乳は白濁液を浴びて上を向いたが、なおも美しい形を保って、荒い息に合わせて上下しているのであった。

「トモエっ、大丈夫!」
 レイナとノワが駆け寄り、助け起こす。
「……ごめんなさい、このようなはしたない姿を……わたくしは、あの、その……」
「いいのよそんなこと。よく頑張ってくれたわ、ありがとうトモエ。疲れたでしょう、少し休んで」
 顔や胸についた白濁液を柔らかい布でぬぐいながらレイナは感謝する。
 隣ではノワがトモエの手を両手で優しく握る。
「……はい」
 仲間達の優しさに包まれて、トモエはようやく安心する。
 一方で、言い知れぬ不安にがわき起こってくるのだった。
(一体わたくしの体はどうしてしまったのでしょう。今までこのようなことはなかったのに……。これからまた淫らな行為をさせられるのでしょうか?)

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