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カッコウの官能小説劇場

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蒼井カッコウ

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カッコウ、カッコウ、エロ小説書きの蒼井カッコウです。
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あとがき

いやあ、やっと書き終わりました、騎士姫の復讐。本当は短編ですぐ終わるはずだったんですが、一年間以上ほったらかしにしていて、待っていてくれた方には本当に申し訳ありませんでした。
 最大の理由は、仕事の方が一時期異常事態になって趣味の時間が全く取れなかったことなんですが、それ以降もなかなか筆が進みませんで。

 その理由はやはり、テーマというか最後のアンネロッテとベルトランの決着の付け方に、色々と迷いがあったからなのかな。
 一応、最初の構想通りなのですが、本当にこれで良かったのか、それにこの結末に至るまでの過程がきちんと描けているのか、はなはだ心もとなく、筆力不足を痛感しております。

 第八章前半で、ちょっと触れたアンネロッテ調教シーンも、もっと膨らませて描こうかとも思ったのです。でも、それをやってたらいつ終わるのかも分からないし、似たような心理描写の繰り返しになりそうだったので、説明するだけでお茶を濁しちゃいました。まあそこらへんは。アンネロッテがどんな風に堕とされていったのか、皆さんで妄想を膨らまして頂ければ幸いです。

 なかなか、後悔と反省の多い作品になってしまいましたが、アンネロッテという王道の女騎士キャラを存分に辱めることができて楽しかったです。最近、女騎士凌辱ものはすっかり定番シチュエーションの一つになりましたが、それだけに収まらない厚みのある魅力的なキャラクターだと思います(アニメ二期がありますように)。皆さんにも誇り高い騎士姫が乱れまくる様子を楽しんで頂ければ幸いです。

 それでは、読んで下さって本当にありがとうございました。次回作はオリジナルをやりたいと思っておりますが、こちらも読んでいただければ幸いです。

終章 最後の決闘

 ここでこの男と向かい合うのは、もう三度目だ。
 崩れかけた屋敷の前庭で、アンネロッテはふと思う。
(いけない、今は感慨などにふけっている場合ではないわ)
 今のアンネロッテは、鎖から解かれた体を鎧に包んでいる。自前の衣服はとうに破られてしまっていたので、素肌の上に鎧を着けている。下着は紐みたいなパンティのみで、下半身は悩ましい丸みの豊臀が丸出しになってしまっている。それでも、久方ぶりに騎士の装束をまとうと、ずっと娼婦として振る舞いながら、必ず戻ると信じた自分にようやく戻れた気がする。

 それなのにアンネロッテは、自分の心境に違和感を感じていた。これから、憎むべき難敵との決闘である。自分を異常な性欲のはけ口として辱め尽くした邪悪な男で、もし今回も敗北したなら、もはや立ち直れないかもしれない。そんな生死以上を賭けた戦いに臨んでいるというのに、恐怖もそれを乗り越える勇気もわき上がってこない。
(私はどうしてしまったのだろう、何度も犯される内に、いつしかこの男を受け入れてしまったのかしら)
 この男の望むように、淫らに振る舞い、背徳的な快楽に溺れた。そのことを思うと下腹部が熱くなる。それを身震いで追い払い、緊張感を取り戻そうとする。
(いいえ、決してそのようなことはないわ。あれはあくまで偽りの姿。絶対にこの男を打ち倒して、本来の私に戻らなければ)
 美しい眉尻をつり上げ、鋭い瞳で男を睨みつける。
 ベルトランは、前と同じように平服に簡素な胴鎧を着けただけだ。すでにその両手には剣とソードブレイカーが握られている。その腕前の恐るべきは身に沁みて知っているが、以前に対峙したときの微妙な殺気や、油断のならなさが感じ取れない。
(この娼婦として過ごした二月で、騎士としての感覚がなまってしまったのか。いけない、この男に負けたのは二度とも油断が原因だった。気の緩みがもっとも危険なのよ)

「やっぱりおまえは騎士姫の姿が一番良く似合うな。もっと、その格好で犯してやれば良かったと思うぜ。くくく、我ながらあれだけやっておきながら、まだやり足りないとはね。本当に何度犯しても飽きない女だよ、お前は」
「昨日まで貴様望むがままの娼婦になって弄ぶがままになっていた。だが、それもこの決闘のためだ。今までの恨み、全部ここではらしてやる、覚悟しろ」
 アンネロッテは剣を抜き盾を構えると、裂帛の気合いをあげて打ちかかる。
(よし、腕の方はそうなまっていない!)
 鋭い打ち込みを、男は二本の剣を巧みに操って防ぐが、防戦一方である。
 一方アンネロッテは、戦いが始まれば否応なく集中力が戻ると期待したのに、何合打ち合っても違和感は消えるどころか増していく。
 踏み込んで剣で刺してきたのを、盾を使って激しく押し返すと、男は後ろにはね飛んで倒れた。

「どうした、また私の油断を誘っているつもりか!?」
 思わず、叫ぶように言うと、男は荒い息を吐きながらにやりと笑った。
 その顔を見た瞬間、アンネロッテは違和感の正体を悟る。
 男はもう、自分とまともに戦えるような体ではないのだ。
 毎日、様々な体位で犯されてきた。組み敷かれ、直接肌と肌を合わせてきたからこそ、少しづつの変化には気がつきにくかったのかもしれない。また、快感に屈する度に開花させられた自分の肉体と感覚の変化故に、見過ごしていた。それでも、心の底では気がついていたのだった、男の肉体が徐々に病に蝕まれていたことに。

「くく、お前こそどうした、剣に全然迫力が無いぜ。さては、負けた後に思い切りお仕置きされるのを期待しているんだろう」
「ふざけるなっ」
 怒りに駆られて、アンネロッテは剣を振り下ろす。ベルトランはソードブレイカーの鋸刃で受けると、ひねりを掛けて剣を落とそうとした。とっさにアンネロッテは剣を振り上げると、ソードブレイカーが男の左手から離れて跳ね上がった。
 その瞬間、男の左手が何かを引くように動くのをアンネロッテは見逃さない、とっさに頭を竦めて盾を掲げたのは戦士の本能のなせる技だった。
 跳ね上げたはずのソードブレイカーが上から降ってきて盾の上辺に当たって跳ねた。柄に細い紐が結わえられていて、男の左手とつながっていた。
「くくくっ、やっぱり駄目か。昔、一度位はうまくいくんじゃないかと思ったんだがな」
 ソードブレイカーを跳ね上げたのは、完全に男の術中だったらしい事に気がつき、この死角からの攻撃を防いだのが半ば幸運だったことを悟る。
「流石にもうネタ切れだ。くくく、最後にびっくりしただろ」
 男はそう言って、地面に座り込んだまま、両手をあげた。
 それを見て、アンネロッテの美貌が泣き出しそうに歪む。もう男には、アンネロッテを剣で打ち負かせる力が残っていないのだ。だから、あのような成功確率の低い攻撃をやって見せたのだ。

「ふざけるなっ、剣をとれっ! たってもう一度戦え! お前は、もっと強いはずだ!」
「はははははっ、無理言うなよ、これが今の俺の精一杯だ。今の技だってうまくいけばお前の脳天にぶち当たってたんだぜ。結構良いとこまでいったと思うがな。それとも本当に、もう一度負けて、がんがん犯してもらえると思っていたのか?」
「これは私の勝利じゃない、病がお前を打ち負かしただけだ」
「もうこの病も俺自身さ。さあ、俺をぶち殺して行けよ。お前の嫌がることは全部やってやっただろう」
「そんな……、私は、お前を騎士として打ち負かすことを夢見て、あんな恥ずかしいことにも耐えてきたのに……これでは、私は元の騎士姫には戻れない!」
「くははははっ、例えまともな頃の俺をぶち殺しても、決して元には戻れないさ。お前は俺の可愛い精液便所で淫乱な女神だ。いいねえ、昨日まであんなにとろけてちんぽをねだってた瞳で睨みつけられると、立っちまうぜ。忘れるなよ、俺のちんぽがどんな風にお前の子宮を叩いて、直腸をえぐったかを」
「全部、全部、お前の思い通りか! こうやって私に殺されることを望んでいたのか!」
「ひひひひ、本当はお前とやってる最中にでも心臓が止まるのを期待していたんだが、なかなかそこまでは上手くいかないやな」
「お前は、私の誇りも名誉も全て奪って、何一つ返さないのか……、悪鬼のベルトラン」
「そうだ、俺の人生、全てを奪うか、奪われるかのどちらかだった。だから最後は俺を憎んでも憎み足りないって奴に命を奪われるのが順当ってもんだ。
 それがよう、心臓の病で数年でくたばるって言われたときは笑ったぜ。どうせ死ぬなら忘れ果ててたガキの頃の故郷で死ぬかと思ったが、やっぱりおとなしく死ぬのを待ってるなんてのは、性に合わないな。そこに、のこのこお前が現れた。くくく、神様は何で俺みたいな極悪人にこんな贈り物をくれるのかね」

 アンネロッテは珍しく饒舌にしゃべる男を、唇を噛みしめ目に涙をためてにらんでいたが。ついに脱力して、膝をつく。
「さあ、どうした、ひと思いに殺すんじゃあ、恨みが晴れないってんなら、なぶり殺しにでもしてみるかい。もっとも今の俺の体力じゃあ、そんなに長くは持つまいがな」
「……馬鹿な、私はそんな事をしない、そんな事をすれば、お前と同じ化け物になる。それを分かってて言ってるんだろう」
「さあ、どうかな。後はお前次第だ、思い通りにやってくれや」  

 アンネロッテの頬を涙が伝う。いったい何が悲しいのか、自分でもよく分からない。
 様々な感情がわき上がっては、渦のように混じり合う。
(私はどうすればいいのだろう。この男を殺してやりたい、殺してこの心の痛みを消し去りたい。でも、それはこの男の望み通りに振る舞うこと、昨日まで淫らに辱めをねだってみせていたのと同じだわ)
 この二ヶ月の間にこの男に与えられた、数々の凌辱を思い起こす。
(本当は分かっていた、もう汚れの無い乙女には戻れない。だってあの体を貫く快感を味わってしまった、我慢できずに求めてしまった。男に強制されたからと言い訳をしても、本当は自分でも望んでいたの……。それでも私は、また叛乱の騎士姫として戦いたい、この世界を変えたい)
 アンネロッテは、目を見開いて涙を流しながら自らの心を探っていた。先程までの悲憤に歪んでいない、透き通るような表情で泣く、妖精のような美貌を男はじっと見つめていた。

 アンネロッテは、すっと立ち上がる。その瞳にもう涙は無く、決意の光があった。
「ベルトラン、お前は哀れな男だ」
「ふふ、そうかい」
「死ぬのが恐ろしいんだな」
 男はしばし沈黙した。
「さてね、自分でも死ぬのが恐ろしいなんて思っていなかった。何しろ四六時中、いつ死んでもおかしくない稼業だったからな。いちいち恐れていたら、未だに首が繋がってないだろうよ。今にして思えば、あまりにもそれに慣れすぎて、怖がってることも忘れていただけかもな」
「でも、確実に来る病の死は恐ろしかったから、故郷に戻ってきたのだろう?」
「ま、そうとも言えるかもな。もうすぐ死ぬって分かったら、ガキの頃を妙に思い出すようになった。……傭兵やってる頃は、その時の今を生き延びることしかなかった」

「……お前を憎んでいるし、赦すこともできない。でもお前を哀れんでいるのも本当なんだ」
 まるで自分に言い聞かせるように静かに言いながら、鎧を止める金具を繊細な指で外す。鎧が地面に落ち、押さえつけられていた美乳が乳首を上向かせてぷるんと揺れ出る。小手や長靴も外して、紐のような下着も抜き取った。幾度となく凌辱されてなお、高貴さを失わない滑らかな裸体で男の前に立つ。
「それで、哀れな男をどうするつもりなんだい、殺す前に最後の一発を味わっておこうってか」
 全裸のアンネロッテは、倒れた男にのしかかるように重なり、男の鎧と服を脱がしていった。
「お前は殺さない、でも、最後にお前にされたことを、私がしてやる」
「おいおい、本気かよ。そんなことをして、俺が喜ぶだけだとしてもか」
「私はお前とは違う、お前が嫌がることを目的にしたりしない。これはただ、私のためにするんだ」
「最後におれと一発やって、生かしておく。本当にそれでいいのか」
「そうだ、それが私の望みだ。殺してなんかやらない、最期まで、人間らしく死におびえながら生きればいい」
「人間らしく?」
「お前は私を、お前のような化け物にしようとしていたな、でも、私はそうはならない」

 アンネロッテは男の力の抜けた肉棒を剥き出しにすると、唇で咥えた。教え込まれた舌使いを駆使して、口の中でねっとりと亀頭を舐め回して刺激すると次第に熱く堅くなってくる。体を回して、男の体にと互い違いになると、股間を男の顔に押しつけた。
 むっちりと脂肪の乗った尻と太股の中心に花開く女の秘裂が男の眼前に迫った。この二月の間毎日犯されてきたとは信じられないほど可憐なピンク色で、繊細な銀髪の下よじれた花びらを綻ばせている。
 まだ湿り気にぬめる程度は、アンネロッテの濡れそぼり方としては、まだ始まったばかりだ。男は舌をのばして膣前庭を舌先でなぞるように刺激しはじめると、早くも女体がぴくっぴくっと反応し始め、鼻息が甘く乱れた。
 男が、更に愛蜜をあふれさせようと、秘穴の入り口を広げるようになぞったり、剥き出しにした肉真珠に吸い付いて、舌先で転がす。刺激から逃げようとする尻肉を両手掴んで抑えると、女体がのたうつのが柔らかく伝わってきた。
 アンネロッテも負けじと、屹立した男根を奥まで吸い込むと、音を立てて口を前後させ、可憐な唇を淫らすぼめて陰茎を刺激してくる。
 二人は互いの性器を貪り喰うが如くに、我を忘れて、唇と舌で刺激を与えあった。
「あんんっ、んはぁぁぁーんっ」
 ついにアンネロッテが、軽い絶頂に達する。ちゅぽんっと、男根を吐き出し、とがった乳首が上を向くほどのけぞって嬌声をあげた。

「もういったのか。本当に感じやすくなったな、これからこの体をもてあますぞ」
 そう言いながら小さく痙攣する体に浮き出たあばら骨を指先でなぞり反応を楽しんだ。
「ん、はぁっ、はっぁん、ま、まだまだこれからだ」
 アンネロッテは巨乳をぶるんと揺らしながら上体起こす。右手でへそを叩いていた巨根を垂直にして、先端に愛液の垂れ落ちる肉華を当てる。
「ふぅっ、うぅん、あはぁ」
 納めるべき肉洞の入口を捜して、亀頭をこすりつけるだけで、悩ましい喘ぎがこぼれる。

「んぁぁっ、ひゃうっ、あふぅ、私の中、いっぱい入ってくるぅ!」
 たっぷりと塗りつけられたぬめりに導かれて、探り当てた秘穴を押し広げてゆっくりと太い剛直が侵入してくる。
 今まで何度も味わわされた感触だが、その胎内に熱量と圧力を挿し込まれる衝撃には未だ新鮮さがあった。じっくりと味わうように、肉洞をうねらせ、剛直を締め付ける。男がうめき声を上げ、アンネロッテの頬を一筋の熱い涙が伝った。
(ああ、たまらない。多分もう私はこの女肉を貫かれる快感から逃れられない、こんなにも気持ちがいいのだもの)
 男の胸に手をつけ、背中をのけぞらすと、両乳房が、二の腕に挟まれてむにゅりと前に突き出される。桃色の先端ははじけそうなほど膨らんで誘うように震える。
 そのままゆっくりと尻を回し、腰をうねらし始める。さらに内部の筋肉を総動員して動かして、雁首を敏感な部分に擦りつけたり、肉棒を絞るように締め付けたりして、襞肉で味わう。
「あんっ、はぁぁっ、あふんっ、気持ちいいっ、はうぅぅっ」
 はしたなく開いた脚で美尻を上下に踊らせると、濡れ光る肉棒が、秘洞を貫いて出入りするのが男から丸見えだった。

 初めて自分の思うがままに快感を求めて、いやらしく腰をくねらせる。アンネロッテは長くじっくりと楽しめるようにゆっくりと慎重に動いた。それでも、開いた唇から甘い声が漏れ続き、時折、男が突き上げるように動いたり、目の前で踊る豊乳に誘われて、乳首をつまんでくると、一際高い声を上げてしまう。
 じっくりと時間をかけて味わう快感は、これまで犯されたときのように激しく押し上げるようではなく、まるで体が熱く蕩けて、男と溶け合い一つになるような心地良さだった。
「はんっ、うむっ、んちゅっ、はぃぃん、」
 下半身の結合だけで足りぬとばかりに、男にきつく抱きついて、乳首を胸板に擦り合わせ、突きだした舌を絡めては唾液を吸い合う。
 アンネロッテはさざ波のようにゆっくりと快感を高めていった。慎重に抑えても、何度か小さな絶頂に達する。その度にさめるどころか、敏感さが増し性感が高まっていった。自らの淫らさへの羞恥も、男への憎しみや恨みも忘れて、ただこの快感に溺れることのみに意識が塗りつぶされていた。
 それまでのように、快楽に押し流されないように自分を必死で抑制して保とうとする訳でなく、自らの制御で快感を高めていく。どこか安心感の下で味わう快感は、アンネロッテにこれまでにない幸福感をもたらす。
(ああっ、すごい。今までも凌辱では無く、こういう交わりだった良かったのに……)
 男の深く内心を悟らせない目を見つめながら、そんな事が頭をよぎる。
 それを振り払うように、アンネロッテは上体を起こした男に抱きつき、艶やかな唇で接吻を求める。下腹部を責める男根と同じように力強い舌が、アンネロッテの舌にからみつく。貪るように口を吸い合い、唾液を交換しあうと、かつてなく甘く感じる。
 柔乳房を男の胸板に押し潰し、こねるように回して先端を刺激すると、下半身からの電流に加わって増幅される刺激が全身に走る。
「んふぅっ、ふむううぅん。ぷはぁっ、あふぅぅん、凄いっ、溶けちゃうぅ」

 甘い拷問の如くに時間の感覚をなくし、永遠に続くように味わっていた官能も、ついに終わりの頂点の瞬間が近づいてくる。
 それを感じたアンネロッテは、豊満な尻たぶを打ち付けるが如くに激しく腰を上下させる。肉棒が抜けそうになるまで尻を上げて、一気に腰を落とす動作をリズミカルに繰り返す。引き抜かれるえらが、肉癖をえぐるように擦る。剛直がひくひくと蠢く肉洞を押し貫いて、奥の下がってきた子宮口を亀頭で叩く。一瞬ごとに痙攣するほどの快美感が全身を走り、アンネロッテは自分の体がばらばらに飛んで行くように感じる。
「んあぁぁーっ、んはぁぁぁっ、はんんっ、ああっ、はぁぁぁ、ああぅ、いくぅっ、いっちゃうぅぅぅっ!」
 アンネロッテは、体中を痺れさせる快感に吹き飛ばされそうに感じて、男の肉体ににしがみつく。乱れきってなお美しい顔が後ろを向くほどに首をのけぞらすと、吠えるような叫び声が喉から飛び出た。
「んんあぁ! んはぅっ! んああぁぁあぁぁぁ!」
 胎内の熱い剛直が脈打ち、粘液が子宮に染みこむように叩きつけられるのを感じた。
 視界が白く明滅し、体が雲の上に飛ばされて浮かんでいるような感覚の中、アンネロッテは多幸感に包まれた絶頂を極めていた。


「行くのか」
「ああ」
 呼び出したアンブロシアスの背に跨がり、消耗しきった様子の男を見下ろす。先程の快感の余韻がまだ残っている。もう二度とこの男にあの快感を与えられることはない。女体の奥底が名残を惜しんでいたがそれを押し殺す。
「こんなポンコツな体でまだ生きろとはな、忌々しい限りだ。お前が去った後、自分で首をくくって死ぬかもしれないんだぜ」
「勝手にするがいい、それもまたお前の報いだ」
 この決着の付け方が正しいことなのか確信がある訳ではない。だが、これしかなかったのだということは分かっていた。
「ふん、お前の望み通り怯えながら死んでいってやるさ。お前を犯してひいひい泣かせたのを思い出しては、自分を慰めてな。くくく、お前とやってる時だけは、止まりかけの心臓のことを忘れられたよ」

「お前は私を変えた。大きなものを失たけど、大きなものを得た。でも結局……」
 それから先は上手く言葉にできなかった。する必要もなかったかもしれない。
「私は私の道を行く、お前のような人間をこれ以上生み出さないためにな」
「それは無理だぜ。お前が女王を倒して英雄になっても、俺みたいな奴はこれからも生まれる」
「それでもだ」
(お前が私に植え付けた肉欲は、これから私を苦しめるかもしれないし、もしかしたら幸せにするかもしれない。でも私は私だ、この淫らな体でもって戦い抜いてみせる)
 そう言って、アンネロッテはアンブロシアスの馬体を回す。

「俺を、忘れるなよ」
 背中に飛んできた言葉に、忘れられるわけがない、と返しそうになって、思いとどまる。それは死にゆく悪鬼に対して、余りに甘過ぎると思ったからだ。


 しばらく後、仲間と合流したアンネロッテは、旅の商人からある噂を聞いた。
 ボレックと言う田舎村が傭兵崩れの盗賊団に襲われたという話だった。
「いやあ、でも、実際にあったかどうかも分からないですよ」
 興味を示したアンネロッテに、商人は恐縮したように言った。
「なんでも村を守る代官が盗賊達を撃退して死んだって話なんですけどね、その代官は病気で死にかけてたとか、実は盗賊団の仲間だったとか、村人に吊し上げられてた最中だったとか、あげく跳ね上げられた短剣がたまたま盗賊団の首領の頭に落ちて突き刺さったとか、辻褄の合わない尾鰭ばっかくっついてましてね。ま、閉鎖的な田舎の話なんで、何が本当なのやらさっぱりなんです」
「……そうか、真実は闇の中か」
 アンネロッテは小さな心の痛みを感じた。
(死ぬべき男が死んだだけだ。でも、もしかしたら、もしかしたらあの男も、最後は騎士として死んだのかも)

Fin


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第八章 堕とされた騎士姫


 その日からアンネロッテは、ベルトランの愛娼となった。
 
 もちろん、アンネロッテとてもただ従順に屈辱に甘んじるつもりはなかった。隙を見つければ必ず逃げる心積もりでいたのだ。
 しかし、一度逃げられた経験からか、男は用心深く、目を離すときは必ず首輪と鎖でアンネロッテを繋いで置く。前回のような幸運を期待できない。
 だから、アンネロッテにできるのは、騎士の誇りも、乙女の羞恥も押し殺して、男の情欲に奉仕する淫らな娼婦として振るまうことだけだった。

 初めは、潔癖な騎士姫にとってあまりに異常に思える男の命令にどうしても耐えられず、抵抗もした。しかし、そうすると、男は嬉々としてアンネロッテに罰を与えた。
 それが痛みによるものならば、誇り高い反抗者は毅然として耐えただろう。だが、苛烈な快楽責めに乙女の誇りは幾度も打ち砕かれた。男は時間をたっぷりとかけアンネロッテに、快楽に対して若い女体がいかにか弱いかを、徹底的に教え込むのだった。

 一度目の罰は、以前にもされた、絶頂寸前を維持され続けるものだった。それを半日かけて、アンネロッテが五回絶頂してしまうまで続けられ、最後にはもはや肌のどこに触れられてもいってしまうような、女体の地獄の中で気も狂わんばかりになり、何でも従うと許しを請うた。

 二度目には、水車小屋で淫らな歯車仕掛けに磔にされた。水力で張り型が回転しながら上下し、性器と尻穴をえぐり続けるというものだった。媚薬を塗った張り型に一晩中犯されて、朝には息も絶え絶えになりながら、涎と嬌声を漏らしていた。

 三度目は、身につけるのは首輪のみで屋外に連れ出された時だった。たまたま、村の子供達が遊んでいるのと出くわしてしまったのだ。
 面白がって、子供達の前で淫らなことをさせようとする男に、アンネロッテ純真な子供達を淫らな遊戯に巻き込むのだけは嫌だ、と強く拒絶した。
 しかし、結局木に吊されたアンネロッテは、男の命令を受けた子供達に、尻と尻穴をさんざん嬲られ。最後には女の秘穴を弄っていかせて欲しいと懇願させられてしまい、子供の手で潮を噴きながら絶頂させられてしまうのだった。

 そのような罰を味わい、深く傷つきながら、結局恥悦に落ちてしまうのならば、それがいかに悔しくとも、初めから命令に従った方がましだと深く思い知ったのだ。
 そして、あくまでこれは演技なのだと自らに言い聞かせながら、アンネロッテはいつしか自然に媚態をとれるようになった自分に気がつく。男の巧みな調教により、知らず知らず男の喜ぶ痴態を取り方を、学習し実践していたのだ。
 恥辱を感じながら、それを押し殺すのではなく、被虐的な快楽にして甘えるように示す。快楽に抵抗するように振舞ながら、絶頂を先延ばしにして、なるたけ長く強く快楽を貪る。そういった態度をいつの間にか身につけていた。
 男はアンネロッテがそのような騎士姫の誇りを揺るがす程に乱れた時に限って、銅貨を弾むからだ。
 それゆえ、日々淫乱になっていく自分におののきながら、アンネロッテは自分にこれはあくまで演技、騎士に戻るために必要な行為と、無理矢理に納得させながら、男のいやらしい玩弄物に落ちる哀しみを噛みしめていた。


 そして今、食堂の大きなテーブルの上で、アンネロッテは踊っていた。
 薄物を身にまとい、下腹部を震わせ、うねるように腰を躍動させる、女体ののまろやかさを強調する異国風の踊りだ。
 銀髪を髪飾りで結い上げ、顔の下半分は透けるベールで隠している。体にまとわりつく帯状の薄布も、面積が少な過ぎる上、透けて身を隠す役には立っていない。金の腕輪や足環に留められて扇情的に揺れるそれは、女体を飾る装身具の一部だった。
 まともに身を隠しているのは、股間の小さな三角形の下帯と、乳房の頂点に貼り付いて辛うじて乳首を隠す円錐形の金具だけだ。その真ん中からは房飾りが垂れ下がり、アンネロッテの動きに合わせて上下左右に弾む巨乳の動きを強調している。
 そんな卑猥な姿で、アンネロッテはいやらしく腰をくねらせる。
 張りのある豊満な女尻はまん丸で、若さにまかせて高く突き出ている。その双球を左右交互にくいくいと上下させる。男の目の前で、柔らかな皮下脂肪がぷるぷると震える。

(ああ、私はなんて卑しく、はしたない真似をしているんだろう……)
 毎夜、必死で保っている騎士としての自意識が、恥辱に疼く。
 しかし、そんな思いとは裏腹に、女体のいやらしさを最大限引き出す動きは止まらない。手を抜いたら必ずベルトランはそれを見抜く。それを理由に銅貨を減らすだろう。
 それに、この踊りは体を思い切り動かせる貴重な機会でもあった。剣の修行ができる訳でもない現在、体をなまらせておく訳にはいかない。それ故、男に命令された卑猥な踊りの練習に、真剣に打ち込んだ。武術で鍛えられたしなやかな筋肉と運動神経のおかげで、いまやアンネロッテは素晴らしい踊り子になっていた。
(こんな風に肉体で男に媚びる私を見たら、仲間達はどう思うだろう。驚いて、軽蔑するだろうか。私自身も自分にこんなことができるなんて信じられない)
 腰を波打たせながら、豊乳をぷるぷると揺すって強調する。乳首隠しは小さな金具で乳首に留めれており、房飾りが跳ね回るたびに敏感な乳首を刺激するのだ。

 いまや内心でどれほど激しく羞恥していても、まるで自ら望んでいるかのように、淫らな行為を行うことができるようになっていた。
 恥ずかしさを無理に抑え込むと、むしろ体の動きはぎこちなくなる。羞恥心が沸き起こることを認め、むしろそれを原動力にして、さらに恥ずかしいことをするのが、自然に大胆になるコツだと学習した。
 必死に状況に順応した結果だが、男に巧みに調教されたとも言える。
 そして、そのような倒錯した心理的な訓練の結果、今や恥辱が女肉を強くを欲情させることも自覚していた。

(あぁんっ、乳首が感じちゃう。恥ずかしいことをさせられるほど、興奮して体が敏感になる。私、一体どこまでいやらしくなってしまうの……)
 このような淫らな振る舞いも、あくまでこの男と決闘するという目的のためだ。ある意味騎士として耐えるべき試練だと常に自分に言い聞かせている。しかし、羞恥に興奮してくると、時折それが揺らぐのだ。
(私はもう、辱められるといけない喜びを感じるような女になってしまった。演技をしているつもりでも、身も心もいやらしい娼婦に堕とされてしまったのではないかしら)
 ふとそんな思いがよぎるのを慌てて打ち消す。
(いいえ、弱気になったら駄目! 目的さえ忘れなければ、私はあくまでも騎士。だから今は、いつかこの男と戦うために、今は思い切り破廉恥な女にならなければ……)
 自分に言い聞かせていると、股を開いてしゃがみ込む時、勢いがつきすぎてバランスを崩してしまった。
「はあぁぁん」
 ぶるんと大きく乳房が揺れると、両乳首の房飾りが甘い電流を走らせる。後ろに手をついて、股間を前に突き出し、びくびくっと体を痙攣させた。
 
 ベルトランが、琴をつま弾くのを止めて、抱えていた楽器を脇におろす。
「どうした、途中でこける踊り子に金を払う奴はいないぜ」
「も、申し訳ありません。初めからやり直します。今度は必ずご主人様を満足させるように踊って見せます」
 アンネロッテは必死に頭の後ろに両手を当て、腰をいやらしく回してみせる。
「駄目だ。踊りはもうおしまいだ」
 羞恥をこらえた懇願も、無情に却下された。しかし、このまま引き下がる訳にはいかない。これで諦めては、今までの忍耐も無駄になる。そして男が、もっと自分自身を辱めるのを期待しているは分かっていた。
 アンネロッテは唇を噛みしめると、ゆっくりと後ろを向いて、四つん這いになり、男に向けて、尻をつきだしてみせる。
「ならば、どうか粗相をしたアンネロッテにお仕置きして下さいませ……」
(ああ、こんなことまで。でも、どうしても私を犯させて、銅貨を払わせなければ。あともう少しなのだから)
 恥ずかしさを振り払うように、うっすらと汗の浮かんだ美尻をぷりぷりと振って誘惑する。
「お仕置きだって? どんな風に罰してほしいんだ」
「あぁん、お、犯してください、アンネロッテのいやらしいところをご主人様のものでいじめて下さい……」
「おいおい、そんな図々しい、お仕置きがあるか。自分が気持ちよくなりたいだけじゃないのか」
 そう言ってベルトランは、ぴしゃりと音を立て尻たぶを思い切り叩く。
「あひんぃ」
 痛みと屈辱に血が上り、アンネロッテは背中を弓のように反らして甘い悲鳴を上げる。
「いい声で鳴きやがって。淫乱なお姫様にはこっちの方が良さそうだな?」
「ああ、そんな……許してください」
 上擦った言葉とは裏腹に、打擲を誘うように丸尻を強調して、くいくいと腰を動かす。
 男の興奮を誘うために、どんな惨めなこともする覚悟だったが、その卑しい行為に自分も興奮してしまう。そうでなければ、羞恥のあまり体が縮こまってしまうのだ。だからアンネロッテは恥辱を感じながらも吐く息が乱れるほどの興奮に身を任せるしかない。

 ベルトランは先端が平たくなっている、短い乗馬用の鞭を手に取り、しならせるように振ると、鋭い風切音がして、アンネロッテをおののかせた。
「アンネロッテ、机の上から降りろ。その邪魔な服は全部脱いで、手を頭の後ろにおいて立て」
 女の尊厳を無視した命令に屈辱を噛みしめながら、アンネロッテは従う。
 胸当てをはずすと、豊かな乳房がぶるんと揺れる。下帯を脱ぐと、染み出した愛液が糸を引いた。女の弱い部分も全て晒して裸体を男の眼前に捧げた。美しい顔を首まで真っ赤にしながら、潤んだ瞳で正面を見つめた。
「こうして見ると、この一月ほどで大分いやらしい体つきになってきたじゃないか」
 品定めをするような男の視線と言葉に、思わず長いまつげを伏せる。
 確かに、彫刻のように完璧なしなやかな女体のバランスはそのままに、こころなしか女らしい柔らかさが増していた。しかしそれを指摘されると、まるで内心の淫らさが肉体にまで現れたように感じる。胸を手で覆ってうずくまりたくなるのを必死に耐えていると、押さえた羞恥心がぶるぶると体を震わしてしまう。
「おっしゃらないでください……、どうぞ、お気の済むようにアンネロッテを罰してください」
 かつての誇り高さからは信じられない、屈従の言葉だが、その中に混じるかすかな反抗心を男は見逃さない。
「殊勝なことを言いやがるな」
 そう言いながらベルトランは鞭を振るった。
「あくぅっ」
 太股に衝撃と熱い痛みが走り、抑えようとしていた悲鳴が漏れる。
 容赦なく男は白い肌のそこここに紅い跡を付けていく。肌を傷つけるほどではないが、熱い痛みをもたらす絶妙な力加減である。
 弾む尻肉、敏感なわき腹、なだらかな腹部、うねる背中、打たれる度にアンネロッテは食いしばった口元からうめき声や悲鳴を漏らし、女体を波打たせる。
「どうだ、これで少しは反省したか」
「は、はいぃ……」
「なにを反省したんだ?」
 男は紅い跡を鞭の先でなぞりながら聞く。痛みとかゆみがアンネロッテの体を反応させる。
「お、踊りを失敗しました、私が未熟でした……」
「それだけか?」
「集中力を欠いておりました」
「なんでだ?」
 ビシリと音を立てて、鞭が柔らかい乳房を叩く。
「あうぅぅぅん! か、飾りが、房飾りが揺れる度に乳首を刺激して……」
「飾りが悪いのか?」
「ひぃぃっ、あふぅん、いえ、私の乳首がいけないんです、いやらしいおっぱいが感じ過ぎてぇ」
 涙を流しながら、アンネロッテは恥ずかしい告白をさせられる。
「そうだな、さっきからずっと起ちっぱなしだぞ、このエロ乳首は、鞭で叩かれてもぴくぴくしやがって、筋金入りのいやらしさだな」
 突き出された肉山の頂点では、きれいな円を描くピンク入りの頂点に豆粒大の可憐な肉芽が痛々しいほどしこり起っていた。
「ああっ、許してぇ」
 恥辱と痛みと快感に膝をがくがくさせながらも、アンネロッテは必死で、服従のポーズを保つ。
「許して? 本当に反省しているなら、そうじゃないだろう」
「あぁ、うくぅぅん、アンネロッテのいやらしい乳首にお仕置きしてください!」
 乙女が破廉恥な懇願を叫ぶようにして言うと、水平に振られた鞭が正確に、可憐な両乳首を打つ。
「あひぃぃぃぃん!」
 ついに、乙女の美脚が崩れ落ち、尻餅をついて、後ろに倒れ込む。開いた足の付け根では紅色の肉花びらがほころんで、こぽっと愛液を湧かせて床を濡らした。

「やれやれ、鞭を食らっても感じるようになったか、とんでもない淫乱になっちまったな」
 男の嘲笑を聞いて、アンネロッテは屈辱に目を伏せ、足を閉じて手で股間を覆う。いったい誰のせいでこうなったのかと恨み言がのどまで出掛かる。
 
「誰が隠していいと言った? お前のいやらしいところがどんな風になっているか調べてやる。開いて見せろ」
 アンネロッテは唇を噛みながら、女としてもっとも恥ずかしいM字開脚のポーズを取る。むっちりとした太股の前に手を回して、両手の繊細な指でほころんでいた肉のあわせ目を左右に大きく開いた。
 震えるの花びらに囲まれた、珊瑚色の濡れ光る肉園が露わになる。飾り毛の下では、鞘を割った真珠が顔を出す。さらに下にぽっかりと開けられたピンクの肉洞は、ひくつきながら、なおも透明な粘液を垂らす。
「ふふん、大洪水だな。尻の穴までビチャビチャじゃねえか。鞭で打たれるのが、そんなに感じたのかよ。物欲しげにおまんこをひくひくさせやがって」
「いやぁっ、恥ずかしい……」
 すすり泣くように、羞恥を訴えながらも、恥辱の肉泉を開いて見せつけるのは止めない。視線から逃れるようにもぞもぞと腰を動かすのが、むしろ誘うようだった。
 鞭の紅い跡がしっとりと白い肌を際だたせ、女体をなまめかせる。上気して潤んだ瞳と、半開きの口から漏れる荒い息は、発情した美しい牝そのものだった。
「おい、このおまんこは何が欲しくて、こんなにひくついていやがるんだ? 言ってみろ」
「あんん、お、おちんちんです。ベルトラン様のたくましいおちんちんがほしくて、こんなにいやらしいおまんこになってしまいましたぁ!」
 卑猥な言葉を叫ぶと、強烈な恥辱が、脳髄をとろかすような興奮に変わる。その興奮のまま、惨めさにすすり泣きながら懇願する。
「ああ、お願いです、もう、耐えられません。どうか犯してください、貫いてください」
 かつて、いやらしい言葉を狂わんばかりの意思で拒んだことは、もはや遠い記憶だった。

「やれやれ、とんでもない淫乱まんこだな。それじゃあ、失敗した踊りの代わりに、自分で自分を慰めて見せろ。それで俺を興奮させられたら、ちんぽをくれてやろう」
 ここにいたってまだ、男は、アンネロッテ嬲るつもりなのだ。
「ああ……」
 アンネロッテは、背徳的な喜びを感じながら命令に従う。開いていた指を、興奮した女肉を揉み込むように動かす。
「まて、こいつの前で、自分を見ながらやってみろ」
 男が示したのは部屋の隅に立てかけられていた、大きな姿見である。それに向き合うと、発情しきった淫らな女体が全て映し出される。誇り高く凛々しい本来の自己像とは真逆の、獣のように快感にとろけている自分だった。
「あぅぅっ、こんなのいやぁ、見せないでぇ」
「駄目だ、きちんと目を開いてオナニーする自分を見るんだ。そして、どこをどう感じているか、全部言葉で説明しろ。俺を興奮させるためにな」
「そんなこと、恥ずかしすぎます……」
 男の命令に自分を徹底的に女として辱しめる意図を悟り、アンネロッテは慄然とする。しかし、かつてなら反抗心がまず湧き出たはずなのに、いまでは新しい恥辱に対する興奮が先立つ。

 アンネロッテは、鏡に映る自分を見つめながら、右手の指を秘裂にそってにゅるにゅると前後させ、左手で乳房を柔やわと揉み始めた。
(誓ったもの、目的のため、銅貨を得るのためなら、どんな卑しいこともするのだと……)
「あん、ふぁぁん、い、今、割れ目を指で撫でています。入り口の所も、触っていると、優しい感じで気持ち良くなって、んんっ、奥の方がじんとします。ああっ、ち、乳首は感じ過ぎちゃうので、おっぱいを揉みながら、たまに触ってます、んうんっ、あふっ」
 元々嘘のつけない性格であるうえ、こんな興奮状態の頭では適当なことを言ってごまかすこともできない。貞淑な乙女にとっては、欲情の全てを白状させられることは、肉体を晒すことよりも辛い恥辱だった。
 それなのに、秘肉を弄っては、淫らに舌を出して喘ぐ自分を見ていると、刺激が倍増して、すべての言い訳が溶けるほど感じてしまう。
「ああんっ、ク、クリを弄ると、ビクビクしちゃうぅ! あんっ、あふぅん、電流が走って、いっちゃいそうです」
「おいおい、もういっちまうのか、早すぎるだろ。俺を興奮させるってことを忘れてないだろうな」
「ひぅぅん、あふゅぅ、はい、クリは我慢します……。んんっ、おまんこを指でにゅぽにゅぽしてますぅ。ああ、切ない、指二本じゃ細くて、だめぇ。ご主人様のおちんちんみたいに逞しくないから、辛いです。んむっ」
 アンネロッテは、豊乳の先端を思い切り持ち上げ、下を向いて自分で乳首をくわえるように舐める。
「ああん、ち、乳首は舐められるのが一番気持ちいいです……、指でコリコリすると強く感じるけど。舌で優しく舐められたり、吸われたりするのが……ああ、でも我慢できないぃ」
 アンネロッテは繊細な指先で、しこり立った乳首を豊乳に陥没させるように押し込み、ぐりぐりと弄ぶ。白い女体がびくびくと痙攣するように、跳ねた。
「あうぅぅ、あふーっ、お、おまんこの中は、クリの裏側のちょっと下が感じます。あんん、それと、一番奥のところも、とんとんと刺激すると、びくびくしちゃいます、ああっ、だめっ、いっちゃう!」

「まだいくのは早いぞ、我慢の足りない奴だ。これを使ってみろ」
 渡されたのは真珠のような丸い玉が連結された棒だった。根本になればなるほど玉が大きくなる。それが尻穴を攻める道具であることは、何度かねじ込まれた経験から知っていた。
「ひぅっ、そんな、自分でお尻の穴をいじるなんて……」
「嫌なのか?」
「い、いえ、やります……」
 形ばかりの抵抗も、男の一睨みで引っ込めざるを得ない。肛門を責められるたびにヒィヒィとよがり泣かされ、性感帯として発達してしまっている。しかし、自らあの背徳の感覚を味わうのは初めてである。自然と顔が熱くなった。
「ああ、いやぁ……」
 男の胸に背中を預けて、開いた股間を更に上向かせる。膝が脇下にくるほどに開くと、先ほどより更に恥ずかしい姿勢を鏡に映して、薄く色づく肛門のすぼまりを正面にさらけ出した。
 卑猥なおもちゃをひくつく桃色の密壷に差し入れ、すすり泣きながらたっぷりと愛液をまぶす。それを今度はその下のすぼまりにあて、ゆっくりと差し込んでいった。
「はくぅっ、うぅぅん!」
「目をつぶるなよ、しっかりと見ておけ」
「ひぃん、くぅっ、だめぇ、こんなのぉ……」
 ぬめる球体が連続して、不浄の門を逆行してくる。小さなすぼまりが押し広げられては閉じていく自涜の様を自らの目で確認させられながら、そのたびに、脊髄を熱い刺激が駆け上がる。怖気を伴う快美感に震えながら、女の秘貝がひくひくと蜜を吹きこぼす様子までも目に入ってくる。
(ああ、なんて淫らなのこの私は……お尻の穴の感覚でこんなにいやらしく悶えて。それなのに止められない、もっともっと欲しくなってしまう)
「はひぃ、くはぁん、はぁん、あん、あんっ」
「どうした、説明が止まってるぞ」
「あふゅん、くふっ、すみません、あふっ、た、玉がっ、入ると、あひっ、ぞくぞくして、ああっ、で、出るときは、ああぁぁっ、ずっと漏らしてるみたいで、あっ、熱いっ、ああっ、おかしくなっちゃう!」
 終わりの見えない肛門性感を、自らの思うがままに発生させながら、自分の女体の反応を目視しながら報告する。まるで自分が快感を貪るためだけに完結した存在のように感じる。
「あひぃっ、もうだめっ、あんんっ、狂っちゃう、ああっ、はんんっ」
「そろそろ限界かな、おまんこも触って、いっても良いぞ」
「はいっ、あんっ、怖いぃ、ああああぁぁっ、だめぇ、すごいぃ、びんびんのクリトリス、かんじすぎちゃうぅぅ!」
 左手のおもちゃで肛門を責めながら、右手の繊細な指が、濡れそぼつ肉花をいじりはじめる。親指で勃起した肉芽を押しつぶしながら、根本まで入った二本の指が肉壷内を水音をたててかき回した。
「ああっ、もうだめ、気持ちよすぎちゃう。はぁっ、も、もう限界です。指がおまんこの中の一番感じるところを触っちゃうぅ。が、我慢してたのに、もういっちゃうからぁ、あくぅぁ、ああぅ、だめだめぇ、おつゆふぃちゃう! ああああぁぁぁぁーーーーっ」
 丸く開いた口から舌を突き出し、身も世もない嬌声が飛び出る。白い女体が跳ねるようにうねり、しこりたった乳首とともに豊乳が弾む。指に抑えられた穴から、透明な液が噴き出し、しぶきになって周りに飛び散った。
(ああ、なんていやらしいの、私はもう淫らさの化物なんだわ……)
 白く明滅する視界に、意識が昇天しそうになりながらも、一瞬そんな考えがよぎる。

「はぁ、はぁぁ、はぁん、ご、ご主人様、ベルトラン様、お願いです、アンネロッテを犯して下さい、お、お情けを下さい……」
 呼吸をが整ってくると、アンネロッテは開いたままの股間をベルトランに向けて、すがるような視線で淫らな懇願をした。
 それは、銅貨を得ようという論理的な目標以上に、自涜でここまで激しく乱れた恥ずかしさから逃れるためだった。
 今までも、男に責められて同じくらい淫らになったこともあったが、自分一人でここまで快楽を貪ったのは初めてだった。それが激しい羞恥になってアンネロッテの中に渦巻いていた。だから、なんとしても男に参加してもらいたい、この自慰も男との行為の一貫であったことにしたいという心理が、知らず知らずに働いていたのだ。
「おいおい、あんなに派手にいっておきながら、すぐにちんぽの催促か? 信じられない淫乱だな」
 男の容赦のない辱めの言葉にも、なぜか安心を覚える。より巨大な羞恥の前に、恥ずかしい言葉もすらすら出てくる。
「はい、もっと熱くて太いもので埋めて欲しいんです。もっと激しく……あんっ、指じゃだめなんです」
 アンネロッテはなおも水音をたてて、繊細な指を秘肉に這わせる。切なげにすすり泣いて、どん欲に快楽を求めるのは、自分でも演技なのか本心なのか分からない。
「よーし、そこまで言うなら、その淫乱な肉壷を犯してやるか」
 ベルトランは腰の怒脹した巨根を取り出す。アンネロッテの美脚に手をかけ、限界まで股間を広げると、先端密を垂らす、肉花にこすりつけた。
「ああっ、ありがとうございます、ご主人さまぁ、あひぃぃぃぃん!」
 男の腰が力強く突き出され、狭く柔らかい肉洞を太い肉槍が押し進む。待ち望んでいた女肉を侵略される感覚に、アンネロッテは机の上に倒れて、震えるように声を絞り出す。
「くふぅ、お前のここも、大分こなれてきたな。締め付けるだけじゃなくて、襞がとろける様になってきたぜ」
 男は女肉を味わうようにゆっくりと抜き差しをする。肛門に差し込まれたままのおもちゃが、刺激を加える。
「はあっ、はうぅ、恥ずかしいです。あんん、あはぁ、だえめぇ、いったばかりだから、感じすぎちゃうぅ」
 腰を肉棒に貫かれながら、両手は頭の上で机に押しつけられる。
 机の上に、アンネロッテの豊かな銀髪が広がる。その中心で美貌を恥ずかしげにくなくなと振りながら、甘い快感の声を漏らす。
 まるで蝶として標本にされたような気分になりながら、せめてもの反撃に膣肉をうねるように締め付けた。これも、男に教え込まれたやり方で、秘肉の部分部分を連続して締め付けるのだ。
 しかし、憎らしい男は気にする風もなく、同じリズムで皮肉を蹂躙し続ける。その逞しい力で、感じる部分をえぐられる度に、鳴き声が漏れた。
「ああっ、ああっ、もうだめっ、またいっちゃうぅ!」
「好きなだけ、いっちまえ、次は肛門を犯してやるからな、こっちのおまんこには張型をくれてやる」
「そんなっ、はぁ、はうぅん、はあぁぁぁぁぁん!」
 アンネロッテは鳴き声をあげて、絶頂に達した。秘肉が収縮するように蠢き、肉棒を奥に吸い込む。
 しかしベルトランは、かすかにうめいたものの、怒脹を爆発させたりはせず、そのまま複雑な抽挿を続ける。
「あふぅん、もう許して……、はうっ、はうぅっ」

 そして肛門と蜜壷で乙女の体が三度昇天するとき、ようやく男は、その精を子宮口へ流し込んだ。アンネロッテは息も絶え絶えに、涙を流しながら白魚に様に体を痙攣させるしかできなかった。


「くく、お前も色事が板に付いてきたな。これならどこの高級娼館に出しても恥ずかしくないぜ」
「はい、ありがとうございます……」
 礼を言いながらも、恥ずかしげに顔を背ける素振りが、かつての騎士姫とは思えないほどたおやかで艶っぽい。もう何十回とされていたことでも、激しく乱れた行為の後には、自意識と羞恥心が蘇るのだった。
「お前も、娼婦として一人前だな、ひひひ、実際ガイノスあたりでその気になれば、傾城、傾国の評判になるぜ。騎士として女王に反逆するより、むしろそうやって大臣でも誑かした方が効果的かもしれんぞ」
「お戯れを……」
 アンネロッテは騎士の大望を揶揄する言葉に目を伏せた。こんな侮辱にも、あと少しの銅貨のために耐えなければならない。今までこの男は一定の基準に沿って、きちんと銅貨を支払ってきた。しかし、最後の最後で支払いを渋って、弄ぶことも考えられた。その怖れから、アンネロッテは一層従順な振りをするしか無かった。

「さてと、約束の銅貨百枚まで、あとどれくらいだ?」
「……十五枚です」
 男が何故こんな質問をするのか、アンネロッテはいぶかる。あらためて、もう何十回も、淫らな奉仕をし辱められてきたのかと、悲しくなる。この肉体がこんなにも感じやすく淫らになってしまったのも当然だ。
 そしてまだ後十回以上も、更なる辱めを受け入れなければならない。もしかしたら今まで以上に、気も狂わんばかりの責めが待っているかもしれないのだ。その事を思い、淫らな恐れに裸の体を抱いて身を震わせた。

「そうかい、じゃあ今回は特別だ、銅貨十五枚を支払ってやろう」
 しかし、男は予想を裏切る言葉と共に、銅貨を投げ出した。
 アンネロッテは驚き、男と銅貨を交互に見比べる。今までも二枚、三枚の銅貨を払うことはあったが、十五枚は破格だ。
「くくっ、どうした鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして、これが欲しかったんだろう?」
「それは……でも、一体どうして」
「なに、単なる気まぐれさ。さて、これでいつでも、お前は俺に挑戦できるな」
「あ、明日! すぐ明日にでも戦って下さい……、戦えっ!」
 狂おしいほどに望んでいた決闘の権利、娼婦から騎士へと戻るための扉への鍵を突然渡され、戸惑いながらも、叫ぶように宣言する。
「おいおい、急だなあ。もう少し準備やらなにやらしてからの方が良いんじゃないか、いきまくった体も疲れてるだろうしな」
「明日だ」
 アンネロッテは、裸体をかき抱いて乳房を隠し、男を睨みつけると宣言する。それはこの娼婦の境遇に甘んじている事に、自らの本意が一片たりとも混じっていないことを示すためでもあった。

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第七章 愛娼契約

 ぼんやりと目覚めたアンネロッテは、初め自分がどこにいるかも認識できない。
 ただ、暖かく、柔らかい寝床の中、ずっとこの心地良さに浸っていたい。寝返りを打つと金属音がした。
(ここは……、クロイツ城のベッド? 宿屋? ううん違う……)
 頭がはっきりとしてくると、見たことのある家族の肖像画が見えた。
 乙女はシーツにくるまれた裸の体をびくっと震わせる。思い出した、ここはかつてベルトランに犯された、屋敷の中の寝室だった。首に縛られた手をやると鉄と革の首輪がはめられ、長い鎖が床に繋がっている。
(ああ、そうだ……、私は決死の思いであの男と再戦して、負けた。そして、また、犯されたんだ。想像すらできなかった形で……)
 ぼんやりと何も感じなかった頭が、だんだんと働いてくる。それは取りも直さず、屈辱と絶望を思い出すという事だった。
「ううっ、くぅぅぅっ、うっ、うっ」
 アンネロッテは嗚咽を漏らすと、それはすぐに号泣になった。
 その声を聞きつけたのか、ベルトランが入ってくるが、何も言わずに号泣するアンネロッテを見ていた。
 子供のように直截な大泣きである。憎い敵の前で余りに情けないと分かっていても、騎士としての誇りも投げ捨て、ただ腹の底から湧き上がる泣き声を上げるしかなかった。

 アンネロッテがひとしきり泣いていると、ベルトランはベッドに座り、枕に顔を押しつけ俯せになっている乙女の白い背中をなぞる。
「くくく、本当に可愛らしいお姫様だぜ、おかまをほられたのがそんなに良かったのか」
「うくっ、あ、悪魔めっ、どうしてあんな汚らわしい……酷い事ができるんだ……」
「酷い事? 優しく丁寧にやったじゃないか。初めての尻の穴であんなによがる奴はそうそういないぜ」
「うぅっ、くぅぅ」
「俺が初めてケツをほられたときなんか、無理矢理ぶち込まれて、血塗れでのたうち回ってたもんだぜ」
 アンネロッテはびくっとして、まじまじと男の髭面を見つめる。
「お前が……? まさか……」
「ひゃははははっ、そんな事あり得ねえって顔だな、俺だって昔は紅顔の美少年だったんだぜ、あんな風にな」
 そう言って、男は幸福そうに笑う四人家族の肖像画を顎で示す。
 絵の中の黒髪の少年は確かに可愛らしく、目の前のすさんだ目つきの男と同一人物とは思えない。
「う、嘘だ……、あ、あんな酷い、汚らわしい事を……、自分にされた上で、他人にもするなんて……」
 うら若く、岸として真っ直ぐに育ってきたアンネロッテは、目の前の男は理解の範疇を越えていた。
「くくく、自分がされたことだからこそ、他人に同じことをしてやるのが最高なんだよ。もう自分はあの時のガキじゃないって思えるからな。ま、そのうちにそんな事も飽きちまうがな。くく、お前は特別だからな、ついつい、いろいろと遊びたくなる」
「……一体誰がお前を……」
「赤目のガンツって、田舎のしけたごろつきだ。後から考えればな。はっ、俺もあいつをぶち殺すまでは、とんでもない化物みたいに思っていたぜ。今のお前が俺を見ているみたいにな」
「わ、私は、お前なんかを……」
 アンネロッテは唇を噛む。
「騎士だった親父はガンツの手下に武器を取るまもなく殺された。姉貴と母親はそこの庭でさんざん犯されてたな。一人は火の中に逃げ込んで焼け死に、一人は舌を噛み切って死んだんだが、どっちがどっちだったかな……、何しろその後似たような光景を数えきれん程見たからな、ここに戻ってきて色々と思い出したくらいだ」
 男は、夕暮れの庭を窓から眺めながら、淡々と、独りごちるように言った。
「そ、それじゃあ、お前は本当にここの家の跡継ぎなんだな」
 アンネロッテは目の前に改めて慄然とする。伯爵の嫡子として大切に育てられたアンネロッテには、想像も付かない陰惨で邪悪な道を歩んできたのだろう。
「今となっちゃあどうでも良いがね、ガンツにここから連れ去られてからこっち、たたきに火付けに人殺しの、何でもござれの傭兵稼業さ。なんとか生き延びちゃあ、悪鬼の傭兵なんぞと呼ばれるようになっていた。それももう、終わっちまったがね。ったく十年以上も手塩にかけて鍛えた東部最強の傭兵団も、潰れるときはあっけないもんさ、ま、全部自業自得なんだがな」
 凄絶な人生をどこか他人事のように投げやりに語る。アンネロッテは男を見つめながら呆然としてしまう。どうやら、この男は伯爵の世継ぎとして育ってきたアンネロッテには想像もつかない人生を歩んできたらしい事だけは理解できた。


「さてと、沸かしてきた湯が冷めちまう、お前の汗の臭いも悪くないがね」
 男は、そう言って床の金具から鎖を外すと、首輪だけののアンネロッテを抱え上げる。裸の逞しい胸板に密着して、思わず胸を腕で多い、太股を強く閉める。
(あれだけのことをされながら、今更、恥ずかしいなんて……。いや、こいつの思い通りに慎みのない女なるよりは……)
 乙女の葛藤を知ってか知らずか、男はにやにりと笑う。

 壁の一部が崩れて、夕日が射し込む部屋に、新しい湯船がおいてあり、湯が張ってある。
 ズボンも脱いで裸になると、男は大きな海綿でアンネロッテの肌を優しくこすり、汗や体液を洗い流していく。
 アンネロッテは羞恥を覚えながらも、抵抗は無意味だとわかっているのでなすがままにさせる。それに温かい湯で洗われる感覚は心地よかった。たまに敏感な部分をこすられると、恥ずかしい声が出ないように耐えなければならなかったが、さすがに股間の二穴の時は我慢できなかった。

 一通り洗い終えると、男はアンネロッテを後ろから抱くようにして、湯船の中に寝そべった。

「……私をこれからどうするつもりなのだ」
 温かい湯の中は心地よかったが、背中に男の肉体を意識していると、気かずにはいられなかった。
「そうさな、女王の代官としちゃあすぐに報告しなけりゃならんが、それじゃあ面白くもない。近くにいるお前の仲間も捕らえるため、お前を尋問することにするか、もちろん俺流の拷問でな」
「私が仲間を売ると思うか」
「くくく、この敏感な体を開発し尽くしたら、もう何もかもどうでも良くなるかもしれないぜ。まあ、そうならなくてもいい。俺は死ぬまでお前をおもちゃにしたいだけさ。長く持って後一年くらいの命だからな」
 それを聞いて、アンネロッテは臍をかむ。殺されることはなさそうだが、一年もこの男に弄ばれ続けたら、本当に気が狂ってしまうかもしれない。そして何より恐ろしいのは、この男は死を目前にして、何も恐れず、何も望んでいないことだ。
「俺がくたばったら、ガイノスに報告の手紙が出るようにして手配しておかないといかんな、反逆者の首魁アンネロッテを捕まえておきましたと。くくっ、代官としての義務だからな」
「き、貴様! 私は、どんなに辱められても淫らな快楽に溺れたりしない。いつか、貴様の寝首をかいてやるぞ!」
「いつか、ねえ、そんなに時間はないぞ。それに前みたいな幸運は、あまり期待しない方がいい」
 ベルトランは首輪につながった鎖を引っ張り、アンネロッテを起こすと、むき出しの乳房に指を這わせる。
「はぅんっ、や、やめろぉ」
 触られるとすぐに感じてしまう敏感な肌を呪う。確かに我が身の現状を考えると、奇跡に頼るも同然の望みだ。これから襲いかかる屈辱と、その後に女王に引き渡されることを、どうしようもなく絶望と悔しさがわき起こる。
(例え、どんなに望みが薄くとも、決して希望は捨てない! さもなければ私は本当にこの男のおもちゃになってしまう……)
「報告には、このいやらしい体を快楽で拷問した記録を詳細につけてやろう。くく、こういう下世話な話は、簡単に広がるものさ。叛乱の騎士姫アンネロッテがどこをどう責めるとよがり狂うか、お前の仲間にまできっちり知れ渡るだろうぜ」
「うくぅっ、そ、そんなことは、絶対にさせないっ!」
 思わず大声を上げたのは、動揺の証だった。仲間たちに助けを求めなかったのも、この男に犯された恥辱をどうしても知られたくなかったからなのだ。
 さらに大勢の人々にも、この男にされた陵辱と自らの痴態を、知られてしまう。騎士として、伯爵の世継ぎとして、人々の上に立ち指導することを当然として生きてきたアンネロッテは、想像するだけで目の前が真っ暗になる。
(ああ、そんなことになったら、私の騎士としての名誉も、誇りも、汚され尽くされる。伯爵領が滅び反逆者になり、男子から女に戻ろうと、揺るがなかった私の核心が。反逆者として処刑される覚悟はとうにできている。でも、こんな酷い運命が待っているなんて……)
「や、止めろ、それだけは。どうせお前は、自分が死んだ後のことなどどうでもいいのだろう」
「まあな、だからこそ、俺が死んだ後、お前がどうなろうが知ったこっちゃないぜ。まあ、報告書の件はお前次第で考えてやらんこともないぜえ」
「……一体、何が望みなんだ」
「お前が俺の性奴隷になることさ。お前のこの素晴らしい肉体を全て俺に捧げろ。俺のどんな淫らな命令にも絶対服従なのはもちろん、自分から俺の快楽に全身全霊で奉仕するんだ。そうすれば、お前にもこれまで以上の快楽を与えてやるし、俺が死んだ後は自由にしてやってもいい」
「ま、まさか……、嫌だ、絶対に。それだけは、できない……」
「ほおう、そうかい、それならそれでいいぜ。好きなだけ抵抗してみろ。俺はお前の心が折れるまで、徹底的に快楽と痛みで調教してやろう。精神は強情で、肉体は感じやすい。読む奴皆が大興奮する報告書になるだろうぜ」
「ううぅぅっ」
 内ももを水の中で撫でられうめき声を漏らしてしまい、アンネロッテは自らの女体の弱さを思い知らされる。
(ああ、どうすればいいの。淫らな性奴隷になんてなれない、例え一時でもそんな事をしたら、私はもう二度と騎士として仲間の前にたつことも、敵と戦う事もできない。でも、私の淫らさをみんなに知られてしまったら結局同じ事……。いいや、やっぱり騎士として最後まで抵抗するしかない、例え快楽に負けて恥辱にまみれても自業自得。ああ、皆はこんな私をどう思うだろう)

「くく、全く強情だな。俺は優しいご主人様だぜ。もし俺を喜ばせたら、褒美をやってもいい、お前の一番望むものをな」
「私の、一番望むもの……?」
 解放してくれるのか、と問う前に男が答える。
「ああ、もう一度お前と決闘してやろう」
 アンネロッテは目を見開き、まじまじと目の前の男を見つめた。この時ばかりは内ももの感触も忘れた。
 そうだ、この悪党を騎士として成敗することこそが、最大の、そして唯一の望み。ただ逃げ出すだけでは、辱められたか弱い乙女のままなのだ。
「本当に……、本当に私との決闘を受けるというのか」
「ああ、そうだ。古い傭兵の流儀にも、上の者との決闘の権利を金や報償で買うってのがある」
「ど、どうせ、正々堂々と戦う気はないんだろう! また何か卑怯なことをするんじゃないか……」
 信じられない思いと、突然現れた希望にすがりたい思いがぶつかり、思ったことがそのまま口に出てしまう。
「俺からすれば、今までだって充分正々堂々の範囲内だぜ。ま、だいぶ俺の手の内もばれてきてる。それでもまだ怖いかな」
「怖くなど……」
 そう、ベルトランは確かに恐るべき戦士だが、絶対に勝てない相手ではない。それは先ほどの戦いでも証明されている。もう一度、武器を取って戦えるのであれば、三度目は絶対に負けない。自信というより、二度の敗北と陵辱の後の、激しい覚悟がある。

「よし、じゃあ、こうしてやろう。俺がお前の体を抱く度に、銅貨を一枚払おうじゃないか。その銅貨百枚で、俺はお前の決闘を受けてやろう」
「そ、そんなことっ……私に娼婦になれ言うのかっ」
 銅貨一枚で体を売れと言われて、殴られたような屈辱を感じる。
「くくく、奴隷よりかは、娼婦の方がましじゃないか。対価のためにおまんこさせるんだからな。でも、手を抜いたり怠けたりしたら、銅貨は無しだ」
(私が、娼婦に? 体を売り、男たちの欲望に奉仕する、いやらしい女になれというの?)
 考えるだけで、瞳に涙が溢れた。
(銅貨百枚、百回この男に体を捧げれば、この男と決闘して討ち果たすことができる。百回だけ耐えれば……数ヶ月はかかるだろうか? ああ、駄目。私は何を考えているの、もう体を売ることを考え、計算をしている……)

「さあ、どうする? あくまで騎士としての抵抗の姿勢を崩さないというなら、それでもいいぞ。俺の寝首をかければいいが、さもなくば。叛乱の騎士姫の淫らな本性が世間に知れ渡り、反女王の活動も瓦解するだろうな」
「ま、待て、少し考える時間をくれ、心の準備が……」
「駄目だ、今すぐ決めろ」
「う、ううぅぅ、……わ、わかった。お前の、娼婦になる……」
 遂にアンネロッテは、承諾する。
 美貌をわななかせているのは、顔を伏せ泣き出したいのを必死に耐えているからだ。男の顔を真っ直ぐ見つめて、娼婦になっても心までは屈しないという切ない矜持を示す。。

 あくまで娼婦の真似をするのは騎士としての決闘のため、魂まで堕ちるわけではない。どんな辛い恥辱であれ、本当の自分を取り戻すためならば、受け入れ耐えてみせる。それが運命が自分に課した試練なのだ。
 アンネロッテは、必死に自分にそう言い聞かせた。しかし、悲壮な覚悟には、どこか被虐的な期待が絡みつく。屈辱の未来には恐怖しか感じないはずなのに、一筋の涙が頬を伝うと共に、下腹の内奥から熱い粘液が染み出すのを感じる。

「くはははっ、そうかそうか、俺の娼婦になるか。しかし、俺はマグロには金を払わねえからな。俺はお前の客兼指導役だ、ガイノスの最高級娼婦並の技術と振舞を身につけて貰うぜえ。まずは挨拶からだな」
 そう言って男は、アンネロッテの耳元で指示をささやく。

「そ、そんな事……言えないっ! 私を抱きたければ、好きに抱けばいいだろう!」
 アンネロッテは悲痛な声を漏らす。
「おいおい、分かってないな。マグロの娼婦に誰が金を払うかよ。心を込めて奉仕するから、男が汗水垂らして稼いだ金を払って貰えるんだぜ。伯爵の跡継ぎ様はそんなことも分からないかい」
「くっ」
 アンネロッテは、唇を噛みしめると、立ち上がり湯船を出て、床に膝を折りたたんで座る。両手の三つ指を揃えて床に着け、そのまま頭を下げる。
(ど、どんな屈辱でも耐えなければ、未来のために、仲間のためにも。あくまで娼婦の振りをするだけ、これは演技なんだ……)
「ご、ご主人様、アンネロッテを買っていただき、誠にありがとうございます。まだ殿方の喜ばせ型も知らない未熟者ですが、このいやらしい体を使って精一杯ご奉仕いたします。どうか、優しく可愛がって下さいませ……」
「ふふふ、まだ硬いな、嫌々言ってるのがバレバレだぜ。ま、初めだからな、それも悪くない」
「う、うぅっ」
 ついに自らこの淫鬼に媚びるような言葉を発してしまった。苛烈な快楽責めをされても、必死で耐え忍んで守っていた事なのに。
 いくら、もう一度決闘して真の誇りを守るためなのだと自分に言い聞かせていても、心の支えが一つ折れてしまったのは否めない。全身から力が抜けて崩れ落ちそうになる。それを必死で押しとどめては白い肉体がぷるぷると震えた。

「さあて、まず俺のものをしゃぶって奉仕して貰おうか」
「えっ、い、いやっ」
 こうなった以上、いかようにもこの体を弄ぶがいいと、覚悟を込めて顔を上げたところに、突然男のぬらぬらと怒張したものを突きつけられ、思わず目をつぶってしまう。。
「何を驚いている、娼婦としては基本厨の基本だぜ。客を喜ばすために、美味そうにしゃぶって見せろ」
「ううっ、そんな……」

「この先っちょにキスするんだ。小鳥がついばむみたいにな。それから、飴をなめるみたいにぺろぺろなめてみろ」
 おそるおそる目を開けてみたそれは赤黒く節くれ立ち、まるで怪物の一部のようだった。すべての男にこんなものがついているなんて信じられない。
 湯に浸かっていたため不潔には見えないのが救いだった。淫猥に脈打つそれが、自分の秘部を押し貫いて征服し、誇りを打ち砕き、純潔を辱めたのだ。そう思うと怖気と共に、下腹部内奥に熱い灯が灯る。
(い、いや、やっぱりできない)
「早くしろよ、余り待たせると我慢出来ずに、尻の穴にぶち込んじまうぞ。そして、そのちんぽをそのままお前に舐めさせてやるからな」
 潔癖な乙女は悪党の言葉に震え上がる、今言ったようなことを平気で実行する男なのは、既に嫌と言う程思い知っていた。
 美貌をわななかせて、半開きにした唇を邪悪な欲棒に近づけていくしかなかった。

(今だけ、今だけはこの屈辱に耐えなければ……)
 目をつぶって、肉棒の先端に唇を押しつける。ちゅっと音を立てて軽く吸うと、透明な粘液が口内に入った。
(ここは、男がおしっこを出すところなのに、いやあ……)
 改めて湧き上がる強烈な屈辱感に頭がくらくらした。
 心が折れないように、アンネロッテは必死の覚悟を決めた。激しい抵抗感を忘れようと、むしろ積極的に顔を動かし懸命に奉仕する。おぞましい肉棒を最も愛しいものであるかのように、キスの雨を降らせ、頬ずりをした。
 つぶらな瞳から時折こぼれ落ちる涙だけが、乙女の心の痛みの証だった。

「くく、なかなか悪くないぜ。そろそろ舌を出して舐めてみろ」
 一瞬の動揺の後、アンネロッテは震えながらも舌を突き出す。
 丸裸で手足の自由を奪われた美女が、屈辱と恍惚、悲憤と自己憐憫をない交ぜにした表情を浮かべて、花弁のような唇から淫らに舌を伸ばす。
 それは憐れみを誘うと同時に、強烈な欲情をもよおさせる姿だった。
 暖かく濡れた舌がざらりと亀頭を包み蠢く。
 それは肉体的な快感以上に、深い満足感を男にもたらしていた、それと同等の屈辱感を女の側にも。
(しょっぱくて苦い、ああ……私は今、男の一番汚いところを味わされている……)
「くふぅ、そこが男の一番感じるところだ。そこを重点的に舐めながら他の所も舌を這わせてみろ」
 アンネロッテは男の言うがままに、肉棒を舐め回すよりなかった。
 顔を下げて、ぶら下がる玉袋まで舌を這わせられた時には、惨めさが胸を刺す。一方その痛みが被虐の感情を呼び覚まし、妖しい情欲になっていることには、まだ気づいていなかった。

「ようし、それじゃあ口の中に咥え込んでみろ」
 アンネロッテは、素直に男の亀頭部分を口に含む。
 突然村人に輪姦された時に、男根を口内に突っ込まれた汚辱感が蘇った。
(あの時はこの体を無理矢理男達の獣欲のはけ口にされた。でも今はもっと悪い。言われるがまま、自分で男に奉仕しているんだもの……)
 さらなる恥辱に堕ちた女の悲運を嘆くと、何故か強烈に下腹部が疼く。思わず太ももを擦り合わせて、美尻もぞもぞと揺らしてしまう。
「口の中で舌を絡めて、思い切りしゃぶれ。いいぞ、いい子だ。ふうう、今度は奥まで吸い込んでみろ。それで唇をすぼめて、扱くんだ」
 男は容赦なく汚らわしい行為を強いる。アンネロッテはこの時間が早く過ぎることを願い、何も考えないようにして、男の調教に従う。
 だが口内の熱く硬い男の獣欲を感じるほどに、女肉の疼きも強くなる。
 いつの間にかアンネロッテは、肉棒に奉仕しながら、子犬のような鼻声を漏らして、白い裸身をうねらせてしまう。

「くく、どうした、気分出しやがって」
 男の嘲るような言葉に、アンネロッテはびくりと我に返った。
 先刻までとろんしていたまなじりを上げて、男を睨み付け否定の意を伝える。しかし、欲情の波はひいてはくれない。押さえ込もうとすればするほど、悩ましく体を悶えさせるのだ。
(く、悔しいっ! こんな屈辱的な事をさせられて、どうしてこんな恥ずかしいことになっちゃうの? ああ、うずいてたまらない……)
「ちんぽをしゃぶって、下の口でもこいつを味わいたくなったのか。本当に可愛い淫乱姫だぜ。しゃぶり方はまだまだだが、生まれついての娼婦って訳だ」
「や、やめろっ、いやらしい言葉で私を侮辱するなっ!」
 思わず、男根を吐き出し、声を上げてしまう。

「へへっ、その割にはさっきから、あんあん啼きながら腰をくねらせるじゃねえか。しかも、乳首をこんなにしやがってよ」
 男はそう言って、挑戦的に前に突き出た両乳首を引っ張って離す。
「あひぃん!」
 豊乳が弾力性を誇示する様に形を戻して揺れる。男の言うように先端のそこは充血してぷっくりと膨らみ、熟した野苺のようだ。乙女の体と心に起きている恥ずかしい秘密を、教えてしまう。
「ああんっ、ち、違う、これは違うんだ……、はぁん、くりくりしないでぇ」
 異常に敏感になった、女体の両頂を無骨な指に巧みに責められ、アンネロッテは高い声をあげさせられた。
 もはや否定も出来ぬほどの自分の反応が、耐えられない程に恥ずかしく、それがまた情欲を加速させてしまう。
(ああっ、おっぱいだけでこんなに感じてしまうなんて、私はもう…)

「折角だ、このいやらしいおっぱいの使い方も教えてやるか」
 男はアンネロッテの背中で両手を縛る麻紐を解いた。
「このでっかいので、俺のを挟んで気持ち良くしてみな。ほれ、こうするんだ」
 体を少し上げさせられ、男の股の間に胸を突き出すように入る。解放されたばかりの両手を取られ、釣り鐘型に突き出た双乳の間に、てらてらと立上がる肉茸を挟まされる。
 豊かすぎる乳肉は男の肉茎をしっかりと包み込み、押さえつけられた胸の谷間から、赤黒い亀頭が生物のように顔を出していた。
「いや、こんな……いやらしぃ……」
 艶のある声で抗議しながらも、アンネロッテは言われるがままに、胸を揉みしだき、上下に動かして男根をしごき上げる。
(ああ、私は今娼婦……、いやらしい事をする女なの。あん、おっぱいに硬くて熱いモノを感じる。こんなにいやらしく擦っていると、おっぱいが溶けてしまいそう)
 自己憐憫が乳房の快感を増幅し、若い女体を疼かせる。無意識にその快感を求めて、アンネロッテは熱心に柔乳房をこねるように、肉棒に擦りつけ、甘い喘ぎ声を漏らす。

「ううむ、いいぜ……最高のおっぱいだ。よし、挟んだまま先端を咥えろ」
 男の長大な肉棒はびくびくと脈打ちながら破裂しそうな程膨らんでいる。巨乳に挟まれながらも谷間から顔を出す赤黒い先端を、アンネロッテは夢見心地で咥えて、ねっとりと舌で舐めしゃぶった。
「くっ、よし、出すぞ、離すな!」
 男はそう言って、アンネロッテの頭を掴んだ。
 その瞬間、肉棒が一層熱く硬く膨らむ。先端が爆発したようにびゅくっ、びゅくっと、熱い粘液が連続して口腔内に発射される。
「んんっ、んむっ」
 口腔内での熱い粘液の爆発にアンネロッテは目を見開く。反射的に逃れようとするが、男の手ががっちりと頭部を固定して動かせない。
 その中の一回が、喉の奥に命中して、熱い塊を反射的に飲み込んでしまう。
 口の中に異臭と粘りけ、苦みがまとわりつくように広がる。えずきそうなのを必死に堪えると、男の汚らわしい欲汁を唾液で薄め、喉を鳴らして飲み込んでしまい、改めて汚辱感に、怖気が立つ。
(ああ、酷いわ、体の中まで汚されてしまった……)
「そのまま残った精液を吸い出せ、こぼすんじゃねえぞ」
 震えるような屈辱感が、なぜか今は被虐の興奮に変わってしまう。一筋の涙をすぼめた頬に流すと、アンネロッテは言われたとおりにするのだった。

「さあて、こっちの方はどうなってるかな」
 暫く先端を咥えさせ続けると、一瞬力を失いかけた男の怒張がまたそびえ立つ。
 男はアンネロッテを床に押し倒すと、両足首を持って上にVの字に広げた。
「いやぁっ」
 思わず、股間を押さえて恥辱の肉泉を隠してしまうアンネロッテ。
「おいおい、それでいいのか、アンネロッテ。そこがお前の大事な売り物だろう」
 男がにやりと笑い、上から覗き込む。
「うっ、くぅぅ」
 血の上った頭で、暴れ出したくなる衝動を必死で抑える。
(い、今の私は娼婦……、恥知らずな女になるのよ、卑しめられて喜ぶような女に……)
 アンネロッテは、手を震わせながら横ににやる。上に向かって花開くような女の秘所があらわになる。充血して膨らんだ白く清らかな大陰唇に微かな銀髪が萌え。そこにぱっくりと割れた薄紅色のクレヴァスが複雑によじれて、卑猥な女の中身を隠しながら覗かせる。先端で固く勃起した紅い肉真珠が誘うように顔を出していた。
「あぁぁっ……、恥ずかしいっ!」
「今更恥ずかしがるなよ、と言いたいところだが、こんなにびっちょびちょにしてるんじゃあ恥ずかしいわな。俺のちんぽをしゃぶりながら、そんなに興奮しちまったのか」
 羞恥から逃れるように首を振るアンネロッテに、ベルトランが更なる追い打ちを容赦なく浴びせる。
「おい、そのびちょびちょまんこを、もっと開いてみろ。自分の指でな」
 アンネロッテは羞恥と興奮の余り涙を流しながら、細い指で肉親を思いきり広げて暴く。ぬめる肉園は乙女に相応しい清らかな桃色だが、震える秘唇に囲まれた肉洞の入り口は、ひくひくと誘うように開閉して淫らに惑乱した心を表した。
「あくぅぅぅ」
 アンネロッテは、激しく興奮しながらも、自分で自分のしていることが信じられない思いだった。
 羞恥心に激しく苛まれながら、もっと恥ずかしいことをしたいという思いが押さえられない。本来制止するはずの理性が、今は娼婦になれ、淫らな行為こそが正しいと言っていたからだ。
 ベルトランが秘割れに熱い男根を擦りつけてくる。先端から裏筋をぬめらせながら、女洞の入り口に擦りつけられると、たまらなかった。
「ああっ、はぅん、あぁん、あん」
 引っ張り上げられている尻をふり、もっと強く擦りつけようとしてしまう。いや、それよりももっとして欲しいことがあった。
「さあ、アンネロッテ、娼婦らしくおねだりしてみろ。もし可愛いことが言えたら、銅貨を一枚はずんでやってもいいぞ」
 そう言われたとき、アンネロッテの頭が灼き切れるようにスパークした。以前、気が狂うような思いで拒絶し、逆に魂に焼き付いた言葉が考えるより先に喉から飛び出してしまう。

「ど、どうかアンネロッテのいやらしいおまんこを! おちんぽでぐちゃぐちゃにかき回して、天国にいかせてくださいぃ!」

 男は満足げに女体にのしかかり、熱くひくつく肉壺に、膨張しきった肉棒を力強く押し込んで、その切なる望みを叶える。
「んあぁぁぁっ! んあぁぁん、あはぁぁぁぁぁあっーーー!」
 心を縛る枷を弾き飛ばした解放感と、喪失感。苛烈な恥辱が全て肉体を貫く快感に変わる。挿入だけで絶頂の波に押し上げられアンネロッテは、泣き吠えた。
「ああぅ……」
 脱力して体をひくつかせるアンネロッテの様子に構うことなく、ベルトランは容赦なくリズミカルに灼熱の肉杭を打ち込み始める。
「あぁんっ、あふぅんっ、ああっ、ああっ、ああぁっ、だめぇ、へんになるぅ!」
 決闘で敗北後、様々な肉悦に凌辱されながら、この女の秘肉が姦されるのは初めてだった。
 満たされなかった肉襞が、えぐられる歓喜に打ち震え、蜜まみれにした剛直を引きちぎらんばかりに締め上げる。下りてきた子宮口が亀頭に叩かれる度に、白い女肉全体に痺れるような悦楽が走った。
「ああーーっ、はぁーーっ、ふぁぁぁんっ、ひゃううぅぅっ」
 もはやこの快楽の波浪の中では、自分が騎士姫なのか娼婦なのかはどうでも良かった。
 一打ちごとに高まり続けて果ての無い快感に恐怖し、腰をくねらせながら、自分を責める上げる男に縋り付いてしまう。
 のしかかる厚い胸板に、乳房を擦りつけると、男ははしたなく喘ぐ美貌に髭面を近づける。涎を垂らした口元を大きな舌で舐め取り、そのまま舌を口腔内に侵入させる。
「むうんぅ、うっくん、ちゅぷっ、んふぅっ」
 男の大きく太い舌が、アンネロッテの口腔内で暴れ、小さな舌に絡みつく。そして、まるでその舌の動きと連動するように、奥まで差し込んだ肉杭を、腰を回してかき回し、アンネロッテの膣内をえぐり回す。
 いつの間にかアンネロッテは上に上げた太ももを男の尻に回して、しなやかな美脚を絡みつかせている。快感の波を押さえて止めたいのか、それとも離したくないのか、自分でも分からなかった。

 突然男が顔を離し、上体を起こす。アンネロッテも逃がすまいと細腕を首に回してしがみついたため、アンネロッテも上体が起こされる。
 男は太股の下から手を回してアンネロッテの尻たぶを両手で掴むと、持ち上げるようにして立上がった。
「あああぁぁぁっーー!」
 アンネロッテの体は宙に浮かんだ。男の首に腕を回しを回し、男の両手に尻を持たれているものの、体重のほとんどが、男との淫らな結合部にかかっている。
 男に深々と串刺しにされた女肉こそが、自分を支えている。そこから生まれる快感が心も体も支配している。熱く溶けて柔らかいその淫部が、自分自身の核心なのだと感じて、アンネロッテは白い女体を波打たせて涕泣した。
 男はすかさず熱い突き上げを開始する。太い指を広げて、尻肉に食い込ませて支え、下からとろけて蠢く狭い肉穴を掘り上げる。
「あくぅぅっ、くっはぁ、うぁんっ、あんっ、あんっ、あぅんっ!」
 本能的な落下の恐怖に男の首にしがみつく。肉洞をえぐり子宮口を叩く一突き毎に、喜悦が全身を痺れさせ、空中に放り出されるような夢見心地になる。
 激しく揺れ動く乳房の頂点では乳首が限界までしこり立ち、男の汗まみれの胸板を擦っては、快感の大波に変化を与え、上半身を悶えさせる。
 
「あはぁぁーーーっ、はぁぁあぁっ、くぅあぁぁぁぁーーっ、や、だめえ、はぁぅぅぅぅん、とんじゃう、とんでっちゃうぅぅぅ」
 開きっぱなしの美唇からは涎がこぼれ、蕩けた瞳が空中をさまよう。女悦に翻弄されながら、もはやろれつの回らない舌で、自分でも意味の分からない言葉が漏れる。
「アンネロッテ、天国にいかせてやるぜ」
 突然男が耳元でささやくように言う。
「ああぁっ、やはぁっ、こわい、はぁぅっ、あぁぁぁんっ、あふぅんっ、こわいよぉぉ、あぁっ、よすぎるぅ」
 迫り来る凄まじい快感の予感に、恐怖したアンネロッテは、幼女のようにすすり泣いて、よがった。白魚のような女体が、がくがくと震える。
「あひゃぁっ、だめ、あぅん、あんん、いっちゃう、あひぃ、ひぃぃん、てんごくにいっちゃうぅっ」
 ひときわ高い嬌声が上がったとき、男は最後の一撃を深々と叩きつける。
「あんあぁっ、んあああぁぁぁぁぁぁっーーーーー!!」
 ついに訪れた絶頂は、かつて経験した事の無い快感だった。背中を弓のように反らし、天井に澄んだ絶叫を叩きつける。体重の感覚が消え、宙に浮くような感覚の中、その瞳は、星のように瞬く光しか見えない。
 下腹部の中で熱い律動がしぶきを体内に叩きつけるのを、痙攣に女体を波打たせながら、恍惚と味わうのだった。

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第六章 肛虐受難

「うっ、くぅ……」
 一月前処女を散らされた池の畔で、またもアンネロッテは両手を革紐で木の枝に縛られていた。
 ついに復讐を果たしたと思った矢先に、卑劣な手段で勝利を奪われた。アンネロッテは悔しさと後悔のあまり気が狂いそうだった。

 初めて凌辱された時と同じように万歳の姿勢で拘束されている。その事に気がつくと、体に悪寒が走った。豊満なな女体がぶるっと震える。
 ベルトランの下を逃げ出してから、何度も悪夢を見た。再びあの男に捕まり凌辱される夢だった。淫夢にうなされ、目を覚ました夜は、汗と股間から滲みだす蜜でぐっしょりと濡れていた。
 これからの自分の運命を思うと、絶望に目がくらむ。と、同時に乳首が膨らむように屹立し、下腹部に甘くうずくような感触を覚えていた。
(ああっ、どうしてっ……! これでは、まるで期待しているよう……)
 ままならぬ肉体と精神の反応に、深い恥辱と戸惑いを感じる。こんなおかしな欲情も、ベルトランに与えられた激しい屈辱からくる精神の変調で、彼を倒せば治るものだと信じて闘ったのに、結果は無残な敗北だった。
(ああ、これがいつもの悪夢であればいいのに……。目を覚ましたら宿屋のベッドの上であってくれれば……)
 しかし、手首に感じるきつい革紐の感触や、さらけ出された乳首を撫でる風が、これが夢ではないことを物語っていた。

「よお、待たせたな」
 木々の間だからベルトランが現れる。革袋を背負って、不健康そうな顔色に笑みを浮かべ、目だけがギラギラと輝いていた。
 アンネロッテは、視線で人が殺せたらとばかりに睨み付ける。
「卑怯者めっ! 一度は降参しておきながら……」
「まあな、あの時は流石にやばかったぜ。問答無用で殺されると思ったからな」
「くっ、そうしておけば良かったっ……」
「ははっ、甘いんだよ伯爵家のお坊ちゃまは。だけど、負け惜しみで言うんじゃないが、俺もお前を殺すつもりなら、他にいくらでもやりようがあったんだぜ。お前をどうしてももう一度生け捕りにしてよ、ちんぽをぶち込んでひいひい泣かせたかったから、やばい橋を渡ったんだ」
 言いながら男は手を伸ばしてまろやかに突き出る乳房の柔らかさを確かめるように撫で回した。
「あっ、や、やめ、触るなぁ!」
「本当にいい感触だぜ。……ん、もう乳首が立ってるな。くくっ、縛られただけで興奮したのかな」
「ばっ、馬鹿な! 違う!、これは寒くて……あぁん、そんないやらしく……」
 柔双丘の頂点でぷっくりと膨らむ蕾を、指でつままれて弄られる。それだけでかすかな電流が女体の奥に走り、若い女体を波打たせてしまう。
「ひひ、この一月でちょっと膨らんで、感じやすくなったんじゃないか? 俺が女にしてやってから、毎晩自分で揉んでたんだろう」
「あっ、ふぅっ、そんなこと……していない……」
「嘘をつけ、ちょいと触っただけで、いい反応しやがって。どうやら二、三発犯してやっただけで、淫乱の素質が開花しちまったようだな。また俺にやられるんだぜ、嬉しいだろう」
「くぅっ……、わ、私はっ! 例え再び凌辱されることが死よりも辛くても、お前に再び敗北することも覚悟の上で、正々堂々と戦いを挑んだのだっ! それなのにお前はっ……!」
 アンネロッテが激高して血を吐くように叫ぶ。宝石のような瞳からは熱い涙がこぼれた。
「み、認めない、私はこの敗北を認めないっ!」
「はっ、どう思おうがお前は今、縛られてこのざまだ。お前のおっぱいも腰も尻も脚もおまんこも、このいやらしい体は全部俺のものだぜ。弄くりたいように弄くってやる。そして、お前はひいひいよがり泣くことになるのさ」
「……好きにするがいい。いくらこの身を凌辱されても、私は私のままだ。決してお前の思うようにはならん!」

「ふふふ、その強気な言葉がいつまで続くか、楽しみだな」
 ベルトランは指で乳首を一つ強く弾くと、アンネロッテに高い声を上げさせた。
 男の手が無遠慮にスカートの中に入り込むと、下着の横布に爪を立てて引っ張る。レースに飾られた繊細な絹は音を立てて裂け、女の秘密の部分をから引き剥がされた。
「あっ、何を……」
 むっちりと脂肪の乗った太ももが震える。
「相変わらず可愛らしい下着を履いているじゃねえか。くく、案の定濡らしていやがるな」
 ベルトランはこれ見よがしに、秘部に当たっていた場所を広げてみせる。確かにそこは僅かに色濃くなっていた。
「くっ」
 アンネロッテは紅潮した顔で唇を噛んで横を向き、辱めに耐える。

 下着を放り捨てた男の手は、アンネロッテの腰回りを隠すスカートも、力任せに引き裂き、ちぎり捨てる。
「ああっ、いやっ」
 柔らかい布は無惨にもズタズタにされた。残骸となったスカートは、滑らかな曲線の柔肌を一部に貼り付くのみで、女らしい下半身が全て露わになる。
 慎ましく萌える銀毛が、なだらかにふくらむ逆三角を飾る。その下には薄く赤らんだ二つの肉畝がむっちりと盛り上がる。その秘めやかな合わせ目からは、ぷりぷりとしたピンク色の肉花びらが、恥ずかしげに顔を出していた。

「淫乱の癖に、見かけだけは清楚なおまんこだぜ、まるでまだ処女みたいだぜ」
 ベルトランに嘲笑されて、アンネロッテは恥辱の余りぶるぶると震えた。
「あぅぅ……」
 覚悟していたとはいえ、女の最秘部を剥き出しにされ、アンネロッテは思わずうめき声が漏れてしまう。性器を剥き出しにされる恥辱が、改めて再敗北の実感をともない精神の芯まで打ちのめす。紅潮した頬を透明な涙が一筋伝った。
 無駄とわかっていても、羞恥心が男の視線から逃れようとして腰をひねるように動かしてしまう。しかしそれは、高くまろやかに突き出た美尻を、艶めかしく揺れ踊らせるだけだった。
 横に目を背けたアンネロッテは、池の水面に映る自分の姿を見た。震える乳房や、腰高に突き出るまろやかな尻、そしていやらしい陰肉。女としてもっとも隠すべき部分を剥き出しにして見せつけている。か弱く、どこか淫らに誘っているようで、恥辱と敗北感が一層深く心に突き刺さる。そしてまた、恐怖と共に甘い興奮が混じるのだった。

「くくく、良い格好になったじゃねえか。これからは、ずっとこの恰好でいたらどうだ。女王の軍隊もびっくりして剣を落としちまうぜ。叛乱の騎士姫ならぬ、淫乱の騎士姫って訳だ」
 男は下品な笑い声を立てた。
 アンネロッテは怒りと屈辱で視界が真っ赤になる。歯を食いしばってそれに耐えると、目をつぶり顔を背けた。何を言ってもこの下品な男を悦ばせるだけだと悟ったのだ。ならば、いっそ岩のようになって沈黙を貫いてやろう。それだけが唯一自分にできる抵抗だと決意した。

「ほう、だんまりを決め込むのか。いいぜ、我慢強さを試してやる」
 ベルトランは歩いてアンネロッテの後ろに回り込む。姿が見えなくなって、一体何をされるのか不安が増す。それを悟られるのも癪なので、あえて後ろを振り向いたりはしなかった。
 不意に、背骨に沿ったラインをくすぐるように何度も撫で上げられる。ぞわっとする感触が這い上がり、アンネロッテは声を必死で抑えて、体を波打たせた。
 間髪を置かず、今度は内ももの付け根を撫でられる。その繊細なタッチに、若い女体は次第に敏感さを増していった。
(くっ、はぁっ、どうして私の体はこんなに感じてしまうの? でも負けない……)

 男の手は剥き出しのきめ細かい肌を、羽毛で撫でるように優しく巧みに責めはじめた。後ろから手を伸ばし、うなじや尻、太もも乳房など、様々な場所を間断なく感じさせる。
 初めのうちは、触られる度に体に走る微弱な電流を、歯を食いしばり精神の力で押さえつけていた。
 しかし、触手のように予想外の肌の上を踊り回る男の指は飽きることなかった。快感が蓄積していくかのように、女体が上気して熱を帯びていく。

「あっ、はぁっ、あふぅん、あんっ、あくぅっ」
 必死で耐えてきたが、一度漏れはじめた声はもはや抑えが効かない。触られる度、痙攣するように女体をくねらせると、突き出たまろやかな巨乳がいやらしく上下に揺れる。先端で踊る肉蕾は赤身を増して痛いほどにしこり立っている。
 肌を刺激される度に、股間の奥の肉洞がきゅんと収縮しては、愛蜜を湧きしとどに漏らす。
 興奮してほころんだ肉花びらから垂れ堕ちたそれは、太ももを伝わって足指にまで達していた。可憐な肉割れの上端に大きめの肉真珠が鞘から飛び出している。うつむいた拍子にそれを確認したアンネロッテは、さらに消え入りたいほど恥ずかしかった。

(い、いつまで続けるつもりなの……、おかしくなってしまう……)
 熱い息を吹きかけながら、黙々とアンネロッテの肌を責め続ける男の指は、決してその秘密の谷には近づかなかった。むしろ、そんなところから性感が生まれるとは本人も知らないような場所から、微弱な電流を走らせる。
 柔肌はどんどん鋭敏になって、その微弱な快感でも強く反応してしまうのだ。それでいて、なかなか絶頂にまでは到達しそうにない。
(ああ、もし今、あそこを触られたら、すぐに達してしまう……)
 むしろ、花開いた秘肉は、熱く硬いもので埋めて欲しくてひくひくと動いている。
 その本能的な渇望が下腹部から突き上げてくるのに必死で耐える。すると、どうしても腰がくねり、誘うように尻を振ってしまう。そのままならぬ動きのいやらしさを、誇り高き騎士姫は深い恥辱と共に自覚していた。
(ああ、私はどうしようもなく淫らだ、これが女の体なの……)

「い、いい加減にしろっ! はぁぅん、いつまで、あん、やっているつもりだっ」
 もはや時間がどれくらい経ったのか分からなくなり、アンネロッテはついに声を発した。これ以上沈黙と共に快感を受け続けていたら、燃える欲情に精神までとろけてしまいそうだった。
「おや、もう我慢の限界か? いや、この感じやすい体でよく頑張ったと言うべきかな。その色っぽい表情を見れば、どれだけ必死で耐えてるか、ようく分かるぜ」
 ベルトランは後ろから耳元に口を近づけ、息を吹きかけるようにささやく。
「ば、馬鹿にするなっ! くぅ、あぁん、耐えられなくなったのではない、単に飽き飽きしただけだっ。お前なんかにいくら触られても、感じたりするものかっ」
「ははははは、あんあん喘いで、こんなにびしょびしょに濡らして、感じたりするものかも無いもんだ」
 ベルトランは内ももを叩いて水音を立てた。
「くぅっ」
「いやらしく尻を振りやがって、全身でちんぽが欲しいと言ってるも同然だぜ」
「やめろぉっ、そんなもの、欲しくなんかない……はんんっ」
「嘘だな。体がうずいて、切なくてどうしようもないんだろう。本当は、いきたくていきたくて我慢できないはずだ。なあ、いかせてやっても良いんだぜ。」
「あっ、はぁっ、あうぅっ」
 屈してはならぬと自分を叱咤しながら、アンネロッテの心に震えるような期待が生まれるのはどうしようもなかった。
「ただし、こう言うんだ。『どうかアンネロッテのいやらしいおまんこを、おちんちんでぐちゃぐちゃにかき回して、天国にいかせてください』ってな」

 アンネロッテの体がびくりと震える。言葉のあまりの卑猥さが、うぶな心に衝撃を与えた。
 女がそんな下品な懇願を口にするなど、アンネロッテの良識を揺さぶる卑しさである。ましてや誇り高い騎士の自分が言うなど、絶対にあり得なかった。
 一方で、自分の女体が望んでいるのは、その言葉通りのことだとも知っていた。その証拠に、聞いた瞬間子宮がきゅっと収縮して、淫蜜がとぷりと湧き出るのを感じてしまったのだ。
 二重の衝撃が襲いかかり、剥き出しの美しい上半身がぶるぶると震えた。
「どうした? そうやって、おねだりしない限り、ずっとこのままだぜ」
「そ、そんなこと絶対に言うものかっ! 騎士の誇りにかけて……、はぁん!」
「それじゃあ、まだ我慢比べだな」

 それから、男の指技はさらに繊細かつ苛烈に、柔肌を責め立てた。
 いつの間にか胴鎧は外され、無防備なへそや脇腹、くびれた腰を優しく蹂躙される。
 アンネロッテは女体を知り尽くしたかのような男の指に導かれるまま、喘ぎ、悶え、体をくねらせる。
 しかし、快感がついに溜まりきって、女体を天国へ押し上げようとするその瞬間、愛撫が突然止み。アンネロッテを落ち着かせるかのように、尻肉をやわやわと揉んだりするのである。
 その間ベルトランは、アンネロッテの耳元で誘惑の言葉をささやき、いやらしい懇願を言わせようと勧める。女だったら仕方のないことだ、とか、既にもう何度も犯されているのに何を今更我慢するのだ、とか、情交の最中は皆獣になるのだ、とか。
 それに対して、アンネロッテはすすり泣きながら首を横に振って、頑として拒否した。
 するとまた、甘い快楽拷問が再開されるのだった。

 連続する快感に精神を溶かされ、甘く恥ずかしい反応を止められない。もはや自分は敗北しているではないか。こんな抵抗は無意味ではないかと感じずにはいられない。絶頂のおあずけをされるたびに、女肉の渇望は激しくなるばかりである。
 それでも、アンネロッテはあのような言葉を自ら口にすることはできなかった。
 それを言ってしまったら、自分はこの悪党と戦う騎士ではいられなくなる、この悪党に所有される性奴隷になってしまう。
 論理的な思考ではなく、魂の奥底まで染みついた騎士としての自分がそれだけは拒否しているのだ。
 一方アンネロッテは敗北を予感していた。このまま絶頂の寸止めに耐え続けることが無理なのは明白だ。浅ましい女肉は、快楽絶頂こそが至上命題だと強烈な信号を送ってくる。今でもちょっとでも気を抜けば、卑猥すぎる降伏宣言を発してしまいそうだ。
 どんな高貴な精神も、しょせんは肉体に寄生しているに過ぎないのだと、アンネロッテは絶望と共に痛感していた。
(ああ、このままでは狂ってしまう……。いっそ騎士のままで狂えるなら……)

 普段は凛々しいアンネロッテの美貌は、いまや快感に乱れきっている。
 きらめく瞳は涙に潤んで、長い睫毛が震えていた。美しいカーブの眉は、苦悶に寄せられたり快感に開かれたりを繰り返す。頬は真っ赤になり、半開きの口からよだれとよがり声を漏れっぱなしである。
 苦しむような、蕩けるような恍惚の表情は、淫猥さの中にどこか崇高さを感じさせ。女神のように見せていた。

 もはや何度目か分からない、昇天の目前に突然指が離れ、後一歩だった天国の門が急速に遠ざかる感覚。
「くふぅん」
 アンネロッテは、無意識に空腰を使い尻を揺らしながら、すすり泣く。この一瞬だけ、今の一瞬だけを耐えようと気を張り続ける。
 全身の切なさに耐えて空しく踊る時間が過ぎ、また男の指が肌を這い回る。
「あっ、あっ、あぅぅん、そこぉ、はぁん、いぃ……」
 惑乱した声を漏らして、騎士姫はさらに激しく体をくねらせた。

 それは一瞬の偶然だった。
 男の指が脇腹から内ももへ移動しようとした時、跳ね上がるように艶めかしい腰が振られ、指先に、さやを割って張り詰めた肉真珠が微かに触れたのだ。
 その瞬間、快楽の堰がついに破られた。

「はっ、あんぁぁぁぁぁぁぁっ、んぁっ、あふぁんっ、ふぁぁぁぁああん!」
 アンネロッテの見開いた目に激しい火花が散って、丸く開いた口から甘い咆哮があがった。
 おあずけを食らわされ続けた絶頂の大波が怒濤のように体中を駆け抜け、吊られた女体がのたうつように痙攣する。それは、一度で終わらず、二度、三度と襲いかかりアンネロッテを翻弄しつづけた。
 アンネロッテは至福の中で意識が真っ白に飛ぶのを感じていた。


「全く強情な女だぜ。音を上げる前にいかせちまったな。こいつは俺の負けだ」
 アンネロッテが目を開くと、目の前でベルトランの髭面がにやけていた。いつの間にか、吊られていた体は下ろされ、後ろ手に縛られたまま寝かされていた。
「ちょっと触れただけで、あんなに激しいいきかたをするとはな。どうだい天国に昇る気持ちだったろう」
「くぅっ……、だ、黙れ」
 男の卑劣な誘惑に屈しなかったと安堵する一方、身も世もなくいき狂う絶頂姿を見られた羞恥が湧き上がり、勝利の喜びを味わうどころではない。

「ずっとよがりっぱなしで喉が渇いただろう。まあ一杯飲め」
 ベルトランはそう言って袋の中から筒状のものを取り出すと、突き出た小さな口穴から白い液体をアンネロッテに飲ませた。
 未だ朦朧としたアンネロッテは、素直に飲んでしまう。なじみのある味は温められた牛乳だった。口から喉へ染みこむように甘い滋味を感じる。確かに相当喉が渇いていたらしい。

「ふう、はあ、はあ、負けを認めたなら、私を解放しろ」
 少しだけ落ち着きを取り戻したアンネロッテは、男を睨み付け、一筋の希望をもって言ってみる。
「馬鹿言うなよ、まだ何もしてないぜ。しかしまあ、誇り高い騎士姫様はおまんこを使わせてくれないからな」
 男が身を寄せてくると、後ろから柔らかく張り詰める尻を撫で回しながら、愉快そうに言う。
「仕方がないから、もう一つの穴を使わせてもらうしかねえな」
「もう一つの穴? 一体何を言って……、ひやあぁぁっ!」
 アンネロッテは悲鳴を上げた。男の指が突然、美尻の合わせ目に侵入し、その奥に隠されていた小さなすぼまりに触れたのだ。
 そこは乙女の体の中で、最も汚れた部分、排泄物の出口たる肛門だった。

「なっ、何をする! 触るなっ、無礼者っ」
 アンネロッテは驚きの余り、状況も忘れて叫んでしまう。
「ふふふ、こっちの穴もなかなか可愛いじゃねえか」
 ベルトランは叫び声にも全く頓着せずに、尻たぶを開いてその秘密の穴を目前にさらけ出す。確かにそこは、もともと色素も薄く、やや赤みがかるのみで綺麗なものだった。
「いやあぁぁっ! み、見るなぁっ!」
 アンネロッテは高い悲鳴を上げる。そこは若い娘にとってある意味秘割れより見られるのが辛い部分である。
 しかし男はその部分を見るだけでなく指でいじくりはじめた。
「はっ、はうっ、やめろぉ、汚いっ」
 絶頂の余韻で未だ敏感な女体に、未知の感覚が走る。その感覚は、愛撫により甘い快感とは全く別の、背筋を駆け昇る強い刺激だった。
「こっちの方の感度も悪くないみたいじゃねえか」
「そ、そんなところで何をするつもりだ!?」
「何って、ちんこをぶち込むのさ。いわゆるおかまを掘るって奴だ。慣れるとこっちの方でも感じるようになるぜ」
 アンネロッテは衝撃の余り、とっさに声も出なかった。排泄のための不浄の穴に性器を入れて交じり合うなど、現実にできるとは信じられない。
「……馬鹿な、入るわけがない、そんな汚らしいことを……」
 上擦った声で、うめくように言うのがやっとである。
「ま、そのためには色々準備しないとな。これでも俺はきれい好きなんだぜ。こいつで腹の中まできれいにしてやるからな」
 そう言って男は、先程アンネロッテに飲ませた牛乳の筒を見せる。よく見るとそれは後ろから押し出すポンプ式になっているようだ。
「な、なんだそれは?」
「浣腸器さ、こいつをけつの穴にぶすりと刺して、牛乳をたっぷり送り込んでやるのよ。しばらくすれば、腹の中の糞と混じり合って、強制的に全部出るって訳だ」
 アンネロッテも浣腸という医療行為があることは知っていた。それが自分にされるという言う意味がとっさには分からない。徐々に、男が自分に人間として最も恥ずかしい行為を強制しようとしていることを悟る。

「ま、待て、や、やめろっ、どうかそれだけは……」
 恐怖に駆られたアンネロッテは、もはやみっともなさも省みず、尻を振って抵抗した。
 しかし肩を押さえこまれて動きを封じられる。乳房が地面に潰され、アンネロッテは、尻を高々と掲げる恰好にされる。男は柔らかい尻肉を割って差し込み、細い管口を肛門に挿入した。
「い、いやぁぁぁぁっ!」
 肛門に異物がさし込まれる異様な感覚。さらに、生暖かい液体が、直腸を逆流して流れ込んでくる。
「はわあぁぁぁぁぁっ!」 
 男は水鉄砲のようなポンプを操り、悲鳴を上げるアンネロッテの尻穴にゆっくりと液体を注入していった。
「あっ、くぅっ、だめ、止めてぇ……、もう入らないぃ……」
 下腹部が膨らむのを感じ、痛みが走る。アンネロッテは排泄の穴を逆行する気持ち悪さと背筋を走る悪寒に耐えた。自分の体の、最も触られたくない部分をいいようにされる屈辱に震えるが、そこにはどこか甘美なものが混じっていた。

「よし、全部入ったな。これから抜くからな、すぐ出すんじゃねえぞ」
 男が空になった管を引くと、アンネロッテは慌てて括約筋に力を入れる。
「くぅぅっ、あぅっ」
 液体がほんの少し漏れる。それが強い刺激となるのを感じて、アンネロッテは涙をこぼす。
 あまりに異常な状況に、頭がまとまらず、ただ襲い来る下腹部からの刺激に耐えるだけだった。
「くぁぅっ、わ、私にこんなことをして……、どうするのだ……」


「うぅっ、て、手洗いに行かせてくれ……頼む……、ああっ、漏れてしまうっ……」
 すぐに下腹部の刺激は激しい便意となって、アンネロッテを苛む。切羽詰まったアンネロッテは屈辱を感じながらも懇願せざるを得ない。
「ああ、いいぜ、すぐそこだからな、それまで頑張れよ」
 ベルトランは後ろ手に縛られたアンネロッテを引き起こして立たせる。そして、ぶるぶると震える豊かな尻肉をぴしゃりと叩くと、いつの間にか付けられた首輪の紐を引いてアンネロッテを歩かせた。
「あ、あぅぅ、くぅ」
 漏らさないように下半身に必死の力を入れているアンネロッテは、内股の小幅の歩みしかできない。アンバランスな歩き方に、上下に縄をかけられて突き出た乳房が上下に揺れる。それでも便意に必死に耐えて、首を引かれるまま歩くしかなかった。下腹部に湧き起こる動物的な排泄衝動もあいまって、家畜になったような惨めさである。漏れる苦悶にすすり泣きが混じるのを押さえられない。

 ベルトランは池に沿って歩き、池から流れ出る小川に架かった小さな橋の上にアンネロッテを連れてきた。
 春の陽光の中、綺麗な水が流れる様は、このような状況でなければさぞ爽快であったろうが、今のアンネロッテには恥辱を深くさせるのみでなんの慰めにもならない。
「さて、ここがお待ちかねの場所だぜ」
 古びた木組みの橋の中央付近、橋板が外れて縦長の穴が空いている部分があった。
「うぅっ、な、何を……」
「厠ってのは川にあるもんだ。そこの穴またいでしゃがめば、田舎風水洗便所のできあがりって訳さ」
 それを聞いた妖精のような顔がさっと青ざめる。
「そ、そんな……、こんなところで、できないっ! 絶対に、無理だ……」
 なんの囲いも覆いもないところで、憎むべき男に見られながら排便する。うら若き騎士姫にとっては、考えただけで目がくらみそうな汚辱である。
「ひひひ、気にすんなよ。どうせ見てるのは俺だけさ」
 ベルトランは首紐を引っ張って、無理矢理アンネロッテを穴の上にやり、跨いで立たせた。そのまま肩を押してしゃがませようとするが、アンネロッテは、死力を振り絞って抵抗した。今度は顔が真っ赤になる。
「あっ、い、いやっ、お、お願い、どこか他のところに行ってて、ここで見ないで!」
「馬鹿言うなよ、お前に逃げられたら元も子もねえ。それに、俺は見たいのさ、お前みたいな最高の女がどんな風に糞をするのかをな」
「へ、変態っ。お前は、異常だっ……、あっ、あっ、だめっ、んくぅっ!」
 ぷぴゅっ、と音を立て固く引き締めた乙女の肛門から白い液体が僅かに飛び出す。もはや便意は最高潮に達して、アンネロッテの凄まじい忍耐を無にしようとしている。自分の体のことだけに、もはや敗北しかないことを絶望と共に悟っていた。

「やれやれ、お前の強情っぷりはさっき見せて貰ったからな。まあいい、すぐに楽にしてやるぜ」
 ベルトランは押さえつけようとした手を放して呆れるように言った。そして今度はその指を内股で震える乙女の股間に差し込むと、柔らかい秘肉をねっとりと揉むように触る。
「なっ、あっ、やぁっ、あんん」
 突然の甘い刺激に、アンネロッテは背中をS字に反らして声を上げる。またも肛門からは液体が漏れて、熱い刺激を送る。
「おやおや、びしょびしょじゃねえか。これはさっきの名残じゃねえな。浣腸されて感じてやがったな」
「あふっ、いやっ、嘘っ、そ、そんな事ない……、あんっ、そんな、だめぇっ」
 とっさに口では否定したものの、いつの間にか反応していた自分の体にアンネロッテは驚き惑乱する。
「くくく、本当にいやらしい牝犬だぜ、さあ、牝犬らしく出すものを出しちまいな。どうせもう我慢なんて出来ねえんだ」
 男の指が熱い蜜壺をかき回す。甘いしびれが体を駆け巡り、括約筋を締める力をとろかす。アンネロッテは絶望で目の前が暗くなり、背徳の快楽に堕ちる感覚を味わう。

「あんっ、はんっ、どうしてぇ、あふぅっ、ああっ、だめっ、私、もうだめぇっ」
 がくがくと震えていた脚がついに折れた。アンネロッテは膝を全開にして、しゃがみ込んだ。
「ああああぁぁぁっっ!」
 緩んだ肛門が丸く開ききり、そこから熱く重い液体が噴出する。例えようのない解放感の中、肛門を押し開き、通り抜ける感覚が灼熱の刺激となって背中を駆け昇る。
 アンネロッテは絶頂に達していた。排泄をしながらの絶頂は未経験の領域に潔癖な騎士姫を連れて行った。
 口を丸く開いて涙を流しながら、体を波打たせては、下に向けられた丸尻から水音と破裂音を響かせる。
(ああ……私、すごくいけないことをしている……)
 いつの間にか、ほころんだ秘唇からも黄金色の液体が噴射されていた。

 絶頂が収まっても、排泄は完全には終わっていなかった。最後の固形物が肛門を通過する。
 その時、我に返ったアンネロッテは、すぐ側でベルトランがにやにやと笑いながら自分の全てを見ているのに気がつく。
 その瞬間、恥辱が鈍器のように騎士姫を打ちのめす。人として最も恥ずかしい所を見られている、否、人間以下の存在になったところを見られているのだ。
「いや、いやぁ……、見ないでぇ、こんな私を見ないで……」
 アンネロッテは紅潮した頬を涙で濡らして首を振りながら、肛門から出たものが下の川で水音を立てるのを聞くのだった。

「くひひ、まさか、いきながら糞を出すとは驚いたね。そんなに浣腸は気持ちが良かったのか。どうやらおまえの尻穴は、おまんこと同じくらいいやらしいみたいだな」
 男は浣腸器に上流の川の水を吸わせると、水鉄砲のようにしてアンネロッテの肛門に水を当てて洗う。
 冷たい水を敏感な肛門に当てられ、アンネロッテはびくっと体を震わすが、そのまましゃがんだまますすり泣き続けた。
(ああ、私はもう獣以下の存在にされてしまった。あんな風に達してしまうなんて。こんな事を皆が知ったらどう思うだろう……)
 この一ヶ月必死で立て直してきた誇りがまたも打ち砕かれてしまった。今はただ、辱められたか弱い女として泣くことしかできない。

 ベルトランは布きれで水を拭き取ると、アンネロッテを抱え起こして、穴から離して、背中を欄干にもたれかけさせる。
「叛乱の騎士姫アンネロッテともあろう者が、そんなに泣いてちゃ情けないぜ。糞しているのを見られたのがそんなにこたえたのか」
「だ、黙れぇ! あ、悪魔め、お前なんかに、ううぅっ……」 
 ベルトランを睨み付けるが、その目で見られていたことを思い出し、恥辱に耐えられず顔を背ける。
「お前が悪いんだぜ。おまんこに突っ込まれるのはどうしても嫌だってんだから、しょうがない」
 そう言って男はズボンをおろすと、凶悪な肉棒が鎌首をもたげた蛇のように現れる。
「なっ、ま、まさか……いやぁっ」
 アンネロッテは、この強制排泄が肛門を犯す準備だと言っていたのを、今になって思い出した。
 肛門の刺激を強制排便で味わった後だからこそ、その行為のおぞましさに一層怖気が立つ。それは自分の体が全然別物になってしまうのではないかという恐怖に近かった。
「や、やめて……、するなら普通ので……、お願いだ……」
 今なら、先刻は必死で快感拷問に耐えた卑猥な言葉すら言ってしまいそうな気がする。
「今更、遅い。それにあんなのを見せられたら、どうしたってお前のケツの穴を犯さなきゃ気がすまねえんだ」
「いやぁーーっ」
 跳び上がって逃げようとしたアンネロッテだが、首輪の紐に引っ張られてうつぶせに倒れる。
 ベルトランは美脚の間を割って体を入れると、細い腰を抱えて上に引き寄せる。形良く張り詰めた丸い尻が高々と掲げられ、生け贄として差し出された。
 肉付きよく震える豊臀の谷間の奥、すぼまりが隠れていた。男は小瓶を取り出し、ぬめる油をたっぷりとそこに垂らす。
「ひぃっ、やぁっ、はぁっ、はうぅん!」
 太い指が肛門に挿し込まれ、油をすり込むように入り口近辺をぐにぐにと弄くる。
 先ほどまで必死の力で攻防を繰り広げたそこは、燃えるように熱く敏感になっていた。
 駆け上がる刺激が背中を弓のように反らさせる。はしたない声が喉から飛び出た。
「はひぃん! あぁ、やめてぇ……」
 肛門に異物を入れられる感覚は、性器を触られる甘い感覚とはまるで違った。
 自分と他者を隔てる境界を打ち壊し、自意識を解かされるような恐怖と恍惚があった。
 
 ベルトランは熱い剛直を秘割れにあてがい、愛液をまぶすかのように前後させる。アンネロッテは、自分がまたも秘肉からいやらしい蜜を漏らしてしまっていることを気づかされた。
 驚きと、哀しみにも似た羞恥。さらに肉体の最も汚れた部分を直接触られる屈辱と嫌悪感が脳を灼く。そこに甘い快感までも混じって、騎士姫を一層激しく悩乱させるのだった。

 指で散々弄って拡げたあげく、ついに男は剛直の先端を汚れの菊花に押し当てた。

「はぁっ、あふぅんっ、お、お願い、それだけはやめて……、あり得ない……」
 排泄口を犯されるという恐怖と汚辱に、声が上擦る。
 ベルトランは低い笑いをもらすと、背徳のすぼまりに赤黒い先端を押し込んだ。
「いやっ、いやぁっ!」
 アンネロッテは、肛門に必死の力を込めて最後の抵抗を試みる、肛門に太い男の肉棒を受け入れるなど、本能的な恐怖で拒否していた。
「そんなに力を入れてると、裂けちまって痛いだけだぜ」
 攻めあぐねた男は、背後からアンネロッテに覆い被さると、指を敏感な柔肌に這わせてきた。その間も肉槍の穂先は正確に菊門に狙いを定めつづけている。
「はぅんっ、あくぅっ、だめっ、感じちゃう、あんっ、許してぇ」
 女蜜の溢れる肉壺をかき回され、甘い快感の波が女体を走る。それが括約筋の抵抗力を優しく打ち破ろうとするのを感じ、アンネロッテは絶望する。
 むっちりと表面を覆う脂肪の下で、太ももの筋肉が抵抗と快感の狭間で、びくっびくっと痙攣した。

「あふぁっ、はぁぁぁん!」
 騎士姫の必死の抵抗にもかかわらず、無情にもその時がついに訪れる。
 さやから顔を出す肉真珠を指につままれた瞬間、電流のように走った快感が括約筋の力を溶かしてしまう。
 その瞬間、門は肉槍に破り拡げられた。
「ひぐぅぅっ」
 えらの張った亀頭が排泄口を限界まで拡げ、中に収まった。その時肛門から来た刺激は、まさしく槍のように敗北の騎士姫を貫いた。
 背中は美しい曲線を描いて限界まで反らされ、見開かれた瞳は虚空を見つめる。丸く開かれた口からは、うめき声とよだれが漏れるままだった。

(ああ、そんな、嘘、お尻の穴に男のあれが入ってる……)
 直腸に感じる熱さと剛直に震えたのも一瞬だった。
「あぐぅぅっ」
 男は容赦なく、その剛直を進軍させた。鋭い痛みが肛門から襲ってくる。それ以上に硬く熱い異物が体内を逆流する違和感が背筋を駆け上り、かつて無いほどに精神を乱す。
 さすがに肉門は抵抗が強く、ゆっくりと、ゆっくりとしか進めないが、油と愛液の助けを借りて、アンネロッテの直腸を確実に侵略するのだった。
「くくく、最後まで入ったぜ。わかっただろう、尻の穴も、おまんこと同じくらいちんぽをくわえ込めるってことがよ。初めてだけあって大分きついがな。」
 アンネロッテは、答えることもできず、力なく首を横に振るしかできない。

「はんんんんっ!」
 男が今度は引き抜き始めると、また別の刺激がアンネロッテを襲う。まるで硬くて太いものを強制的に排便させられている感覚。
 強い汚辱感と背徳感の中に、抵抗でき得ぬ原初的な快感がある。それがアンネロッテの強い理性や意思を崩して、まるで無力な幼児になった心地にさせてしまうのだ。

「せっかっくのアンネロッテの初めての尻だ、じっくりと楽しまないとな」
 ベルトランはまるで失敗できない大事な作業をしているかのように、ゆっくりと丁寧に男根を抜き差しする。
「はぐぁっ、はぁんっ、あはぁっ、あんっ、いやぁっ、ぬいてぇっ、あぁぁんっ」
 強烈な拒否感と快感がない交ぜになり、アンネロッテは首を振り乱しながら、はしたないよがり声をあげた。

「初めてのケツ穴で、もう感じてやがるのか。本当にお前は男に犯されるために生まれてきたような女だぜ」
 そう言ってベルトランはぴしゃりと尻たぶを叩く。
「あうぅぅ、か、感じてなど……」
 涎を垂らしながらアンネロッテは辛うじて屈辱に抗う。
 しかし、肛門独自の感覚が理性を溶かし、どこか病みつきになってしまいそうな妖しさを心に植え付けていく。
(いや、こんな汚らしいこといやなのに、ああ、私、おかしくなってしまう……)

「ほう、そうかい?」
 ベルトランは後ろからアンネロッテを抱き起こす。肛門に男根を埋め込んだまま、アンネロッテの太ももをつかんで、立ち上がり抱き上げた。
「あくっ、いやぁんっ」
 不安定な空中に、幼児に小水をさせるような姿勢で抱き上げられ、汗をかいた上体に風を感じる。肛門にはさらに深く男根が突き刺さり尻肉が男の下腹部で潰れるのを感じる。
 そのまま男は橋を渡り池の畔まで歩く。振動に直腸を刺激されアンネロッテはまたよがり声を漏らしてしまう。

「あんっ、はむぅぅん……いやぁぁぁっ、見せないでぇ!」
 池の縁に突き出された、アンネロッテは男の意図を悟り、泣き声を上げた。
 静かな水面には、M字開脚という女として最も恥ずかしい姿勢で、肛門を貫かれている自分の姿がはっきりと写っていた。これをわざと見せつけたのだ。
 柔らかな豊乳の先端ではしこり立った乳頭が上を向いて震える。普段は閉じている肉裂がぱっくりと開いて、蜜に濡れて赤みがかった肉襞のひくつきまでも外部に晒している。そのすぐ後ろで、淫棒を咥え込んで縁を盛り上げている肛門が微かに見える。
 誇り高き騎士姫が直視するには、あまりにも淫らな自画像で、羞恥が脳を灼いた。

「どうだ、これが本当の騎士姫アンネロッテの姿さ。素直になれよ、尻の穴を犯されて感じているんだろう。おまんこをびちょびちょにしているお前は、最高にいやらしくて美しいぜ」
 ベルトランはそう言って抱えたアンネロッテを上下して、肛門の抜き差しを再開した。
「んあぁっ、はぅん、はくぅ、私、ああぁん、そんなんじゃないぃ、あふぅん」
 アンネロッテは顔を横に振って、恥辱の衝撃を否定しようとする。しかし、肛門に肉棒が出入りする快感はアンネロッテの理性と忍耐をドロドロに溶かしてしまう。
 自分とは思えないほど、いやらしく恍惚に浸った表情と、淫猥に濡れ蠢く股間の肉花。淫らにくねる自分の女体を認識するほどに、羞恥が被虐の快感になってしまう。
 いつの間にか、ベルトランの右手指が太ももの下から秘壺をかき回し始めている。
「はぁあん、いやいやぁ、あぁんっ、そんなことされたら、あっ、あっ、感じちゃう」
 今や抵抗の言葉にも、どこか甘い調子が混じる。白い女体がびくびくと激しく反応し、限界まで高まっている事を示す。

「ふぅっ、俺も、もう限界だ! おら、お姫様、尻の穴に出してやるぞ!」
 剛直の抽挿を激しくしながら、男の指は前門のGスポットを的確に捉えて刺激する。
「くぁぅっ、あんっ、あぁん、だめぇ、んあぁっ、お尻が、もうだめっ、あぅぅぅっ、いっちゃう、私、いっちゃうぅぅ!」

 最後の一突きは、まるで熱い槍に全身を貫かれたようだった。
 根本まで突き刺さった肉棒が硬く膨らむと、どくんと脈動して、肛門に焼けるような刺激を送る。直腸内に熱い白濁を感じたのと同時に、アンネロッテは秘門からの快感に打ち抜かれて絶頂した。
「んぉぉおっ、ほおぁぁぁっ、あふぁあああああぁぁぁん!」
 全てを吹き飛ばす快感が爆発して、重力が無くなる。視界が暗くなり、ちかちかと火花のような瞬きが見える。
 永遠にも感じられる一瞬、圧倒的な快感に自分の全てを明け渡してしまう。
(ああ、凄い、お尻の穴がこんなに気持ちが良いなんて。こんな汚れた行為でいってしまって、わたしはもうただの牝にされたのね)
 白い体が脈打つようにびくびくと激しく痙攣し、尿道からは液体が断続して噴き出すのを感じながら、アンネロッテは甘く暗い絶望に身を浸していた。

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